医療ニュース

2008年4月7日(月) 米国、9万人の乳児が虐待

 米国で初めての乳児虐待の実態報告がおこなわれ話題を呼んでいます。

 2006年度(2005年10月から2006年9月)に、1歳未満の乳児の約2.3%に相当する91,278人が親などから虐待を受けたと発表されました。(発表はCDC(疾病管理局)の週報、報道は4月4日の共同通信)

 さらに、生後1週間未満の被害が約3万人と全体の3分の1を占めていることも注目に値します。

 CDCは、児童保護関連施設からの報告例を集計しています。虐待の内容は、殴るける、激しく揺さぶるなどの「肉体的加害」、食事や衣服や必要な医療を与えないなどの「放置」に分類されています。

 生後1週間未満の乳児に対する虐待の内訳は、「放置」が69%、「肉体的加害」が13%、残りがこれらの複合型となっています。

 CDCの専門家は「親が薬物を使用していると虐待の危険性が極めて高くなる。生後間もなくは親にストレスのかかる時期で、特に注意が必要だ」と指摘しています。

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 日本でも薬物に依存している親は少なくないでしょう。さらに、アルコール依存を加えるとその数は何倍にもなるはずです。

 日本での同じような報告を私は見たことがありませんが、「生後間もなくは親にストレスがかかる」のは日米で変わりないはずです。個人的には、「子供を助ける」だけでなく「親のストレスを社会がサポートする」ことが大切だと考えています。

(谷口恭)

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