医療ニュース

2008年6月1日(日) タバコと酒のコンビネーションが肺がんのリスク

 日本酒換算で1日2合以上飲む喫煙者は、時々たしなむ程度の喫煙者に比べ、肺がんを発症するリスクが1.7倍も高い。しかし、非喫煙者では飲酒と肺がんの関連性はない・・・

 これは、5月30日に厚生労働省が発表した報告です。(報道は5月30日の毎日新聞)

 研究班は、岩手県など10府県に住む40~69歳の健康な男性約46,000人を対象に調査しています。飲酒量を、①ほとんど飲まない、②時々(月に1-3回)、③日本酒で1日1合未満、④1日1-2合、⑤1日2-3合、⑥1日3合以上、の6グループに分類し、2004年までの約14年間追跡しています。

 その結果、喫煙者では、⑤の1日2-3合飲むグループと、⑥の3合以上のグループは、②の時々のグループに比べ、肺がん発生率がともに1.7倍高いことが分かりました。

 この理由について、研究班は、アルコール分解酵素がたばこの煙に含まれる発がん物質の働きを活発化することなどが原因と考えているようです。

 この研究でもうひとつ興味深いのが、①の飲まないグループも、②の時々のグループに比べて肺がん発生率が1.6倍高いという結果がでていることです。これについて、研究班は、「(①の人たちは)もともと肺がんリスクが高く、飲めなくなっていた人が含まれていた」とみているようです。

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 尚、日本酒1合は、ビールなら大瓶1本、ワインならグラス2杯に相当します。

 タバコを吸う人は、酒の量を減らすのではなく、禁煙を試みるべきでしょう。

(谷口恭)

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