医療ニュース

2009年3月17日(火) 肝癌予防には野菜はよくて果物はNG

 野菜を多く食べる人は、少ない人に比べ、肝癌を発症する危険性が4割低くなるが、果物の取り過ぎは逆にリスクを高める可能性が高い・・・

 これは厚生労働省研究班の調査で明らかになったことです。(報道は3月12日の読売新聞)

 研究班は40~69歳の男女約2万人を約12年間追跡調査しています。野菜や果物の摂取量の多寡で「多」「中」「少」の3グループに分け、肝癌発症との関連を調べました。

 この期間中に約100人が肝癌になり、そのうち8割はB型かC型の肝炎ウイルスに感染していましたが、野菜摂取量「多」のグループは「少」に比べ、肝癌の発症率が約40%低くなっています。一方、果物摂取量「多」のグループは「少」に比べ、発症率が45%高くなっています。

 緑黄色野菜に多く含まれるカロテンは肝癌予防作用が確認できたようですが、果物に多いビタミンCは逆に肝癌の危険性を高める傾向があるようです。

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 一般的に身体に良いと言われているビタミンCが肝癌の危険性を高めるというのは意外な結果のように思われます。食べ物だけでなくサプリメントの摂り過ぎにも注意した方がよさそうです。

 ただ、肝癌に関しては、大半がウイルス性の肝炎が原因となっていますから、まずは食事ではなく感染予防対策を考えるべきです。特に、感染力が大変強いB型肝炎ウイルスに関してはワクチン接種を早めに受けるのが最も賢明な方法です。

(谷口恭)

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