医療ニュース

2009年5月26日(火) 「孤独な酒」は脳卒中の危険性2倍

 親友がおらず飲酒をする人が脳卒中になる危険性は、飲まない人に比べておよそ2倍高い。また「頼れる人」がいる人が適度に飲酒すれば、脳卒中の危険性を減らすことができる。

 これは、5月21日、厚生労働省の研究班が発表した調査結果です。この結果は米国の医学誌「アルコーリズム」6月号に掲載される予定です。(報道は5月21日の日経新聞、毎日新聞など)

 この調査は、1993年に40~69歳だった全国5県の男性約19,000人を10年間に渡り追跡し、飲酒と(脳卒中などの)循環器疾患との関係を調べています。また、「頼れる人(秘密を打ち明けられる人)の有無」などの人間関係についても調査されています。

 その結果、1日平均でビール大ビン1本(日本酒で言えば1号)未満を飲み、頼れる人がいない人の脳卒中の発症率は、飲まない人に比べて1.2倍高いということが分かりました。2本未満で1.8倍、3本未満で1.9倍と、飲酒量が多いほどリスクは増大しています。

 一方、頼れる人がいる人では、2本未満で0.7~0.8倍と、飲まない人より脳卒中になりにくい、という結果がでています。しかし、2本以上の大量飲酒となると危険性は1.2倍前後に高まっています。

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 アルコールは適量であれば血液が固まるのを予防し血圧も下げてくれます。しかしながら、一定量を超えると、逆に血圧が上昇し脳卒中のリスクとなります。一般的にはビール大ビン2本(日本酒2号)以上でリスクが高くなるとされています。

 今回の研究は、飲酒量に人間関係の因子を加えた研究であり、あるべきお酒の飲み方を問う興味深い結果となっています。

 お酒は友達と一緒に腹を割って話しながら適量を楽しむ・・・。これが理想ということでしょうか。

(谷口恭)

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