医療ニュース

2012年1月20日(金) プロペシアで男性不妊症の可能性

 男性型脱毛症(AGA)の治療薬としてすっかり定着しているプロペシアに、副作用として男性不妊症が起こりうることを製造及び販売元(MSD)が2012年1月16日付で発表しました。

 改訂された添付文書には、副作用として、「男性不妊症・精液の質低下(精子濃度減少、無精子症、精子運動性低下、精子形態異常等)」と記載されています。頻度は「不明」とされています。

 これに対する注釈として、「本剤の投与中止後に、精液の質が正常化又は改善されたとの報告がある」と記載されています。

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 プロペシアは男性ホルモンの生成に関与する5αリダクターゼという酵素の働きを抑制することから、以前からこのような副作用の可能性があるのではないかと言われていましたが、メーカーはこれまで否定していました。今回の添付文書の改訂で、一転してその可能性を認めたということになります。

 当院にもプロペシアを処方している患者さんは大勢おられます。緊急性がないために電話連絡などはいたしませんが、次回処方時にあらためてこの副作用について相談したいと考えています。

 尚、プロペシアの他の副作用としては、「リビドーの低下(性欲の低下)」が1~5%におこるとされています。また、1%未満で「勃起機能不全」もあるとされています。

(谷口恭)

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