医療ニュース

2010年10月20日(水) 小麦入り化粧品、特に”お茶石鹸”に注意

 10月15日、厚生労働省は、小麦の成分が入った化粧品や石鹸を使って顔面のかゆみなどアレルギー症状が現れたという報告が相次いでいることを発表しました。

 同省によりますと、最近1ヶ月間で、こういったアレルギー症状は合計21例の報告が国にあったそうです。重篤な例の報告はこれまでないそうですが、「運動誘発性アレルギー」といって、小麦入り製品を使用した後、運動をおこなうことによって全身にじんましんや血圧低下が起こった例もあるそうです。(通常、このような症状は「アナフィラキシー」と呼ばれ、”重症”とみなされるはずなのですが・・・)

 小麦入りの製品には、石鹸、シャンプー、化粧水、毛染めなどがあるそうです。小麦を入れる目的は、しっとりとした感覚や泡立ちを得るため、だそうです。

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 ここ1年間くらい、アレルギー関連や皮膚科関連の学会や研究会に参加すると、必ずこの話題が出ています。最近、特に多いのが、”お茶石鹸”で、急速に売上を伸ばしているのと平行してアレルギーの被害も増加傾向にあるようです。

 なんで”お茶”で小麦なの?、と思われる方も多いでしょうが、私の知る限り、この被害はお茶石鹸を使った人に最も多いのです。実際、お茶石鹸を販売している会社のウェブサイトで石鹸の成分を調べてみると、たしかに小麦が使われていました。

 このタイプのアレルギーで最も多い誤解が、「長年使っているから大丈夫」というものです。この理解は必ずしも正しくなく、実際、小麦が含まれている石鹸や化粧品を使って数ヶ月から数年してから発症、というケースは珍しくありません。

 石鹸や化粧品を使ったあとに、湿疹や蕁麻疹、あるいは、これらの使用後の運動で何か症状が出た人は早めに医療機関を受診してください。

(谷口恭)

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