医療ニュース

2015年8月28日 金曜日

2015年8月29日 睡眠薬使用者の自動車事故

 睡眠薬を使用している人は自動車事故を起こしやすい・・・。

 なんだ、当たり前じゃないか、と思いますが、これを主張している論文を読んで、私はある患者さんのことを思いだしました。そのことは後で述べるとして、まずはこの研究を簡単に紹介したいと思います。研究は医学誌『American Journal of Public Health』 2015年8月号(オンライン版)に掲載されました(注1)。

 米国シアトル大学の研究チームが合計409,171人のドライバーの調査をおこないました。対象者はワシントン州の運転免許証を2003年~2008年に取得し少なくとも1年間以上保持した21歳以上の成人です。自動車事故と下記の3つの睡眠・鎮静薬との関係が調べられています。結果は下記のとおりで、数字はその薬を使うことによって事故を起こすリスクがどれくらい上がるかを示しています。

・トラゾドン(商品名は「レスリン」「デジレル」「アンデプレ」) 1.91倍
・ゾルピデム(商品名は「マイスリー」「ゾルピデム」) 2.20倍
・temazepam(日本では未発売) 1.27倍

 研究チームは「睡眠薬の新たな使用が自動車事故のリスクに関連がある」と結論づけて、処方する医師は「睡眠薬使用の期間と運転のリスクを説明しなければならない」と述べています。

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 ゾルピデム(マイスリー)は、日本で最も処方されている睡眠薬の1種です。即効性がありかつ「短時間作用型」であることから、寝付きが悪いという人によく処方されます。「短時間型だから翌日に残ることもない」と言われています。

 ところが、今回の結果は自動車事故を起こすリスクが2.20倍と大きく上昇しています。さらに驚くのはここからです。睡眠薬の多くは「ベンゾジアゼピン系」と呼ばれるもので、ベンゾジアゼピン系薬剤は「依存性」と「反跳性」に注意しなければなりません。「反跳性」とは、以前にも増して不眠の程度が悪化することを言います。

 ゾルピデム(マイスリー)は、ベンゾジアゼピン受容体に結合することで作用しますが、ベンゾジアゼピンには入りません。そのため「非ベンゾジアゼピン系」と呼ばれます。ベンゾジアゼピンでないのだから安全性は高いのではないかという意見があるのですが、このデータをみると、安全ではないということになります。

 日本では発売されていませんが今回の研究に加えられたtemazepamはベンゾジアゼピン系です。そしてtemazepamのリスクはゾルピデムよりも低くなっています。ということは、非ベンゾジアゼピン系のゾルピデムはベンゾジアゼピン系睡眠薬よりもむしろ自動車事故のリスクが高いということになります。

 また、もうひとつ研究に加えられたトラゾドンは、睡眠薬として使用するのではなく、ある程度進行した「うつ病」に用いる薬剤です。ゾルピデム(マイスリー)は、このような進行したうつ病に用いる薬剤よりも自動車事故のリスクが高いということになります。

 以前、ゾルピデム(マイスリー)が原因で起こってしまった悲惨な事故(事件)について紹介しました(注2)。ただ、マイスリーばかりが否定的な情報で目立ちますが、注意しなければならない睡眠薬はもちろんマイスリーだけではありません。少なくともベンゾジアゼピン系睡眠薬はすべて注意が必要です。

 本文の冒頭で紹介した私が思い出した患者さんは「マイスリーはすぐに効果が切れるから翌日の運転は大丈夫。前の病院でも処方してくれたんだからここでも出してくれ」と何度も訴えました。私は、「自覚がないとしても判断力が落ちることもあるから運転は危険。運転する人には当院では処方できない」と言うと怒って帰って行きました・・・。

 当院の患者さんに対しては、ベンゾジアゼピン系を減らして、依存性や反跳性のない睡眠薬に切り替えていくよう助言しています。

注1:この論文のタイトルは「Sedative Hypnotic Medication Use and the Risk of Motor Vehicle Crash」で、下記URLで概要を読むことができます。

http://ajph.aphapublications.org/doi/abs/10.2105/AJPH.2015.302723

注2:マイスリーが引き起こした事件(事故)については下記を参照ください。

はやりの病気第124回(2013年12月)「睡眠薬の恐怖」

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2015年8月28日 金曜日

2015年8月28日 コーヒーが悪性黒色腫を予防

 2~3年に一度程度でしょうか。「このホクロがガンではないかと思って受診しました」という患者さんが、短い期間に集中して受診されることがあり、この夏がそうでした。医師になりこの現象を何度か経験しましたが、これはまず間違いなく何かのテレビ番組で「ホクロと思っていたが実はガンだった。あなたは大丈夫ですか?」というようなものが放送されたからです。

 大半はガンではなく「ただのホクロ」なのですが、たしかに一部はガンが疑わしい症例があります。当院でいえば年間1人くらいはホクロに見えるガン、つまり「悪性黒色腫(マリグナント・メラノーマ)」が見つかります。

 カフェインおよびカフェイン入りコーヒーが悪性黒色腫のリスクを下げる・・・

 このような嬉しい研究結果が米国ハーバード大学の研究チームによって導かれました。医学誌『Epidemiology』2015年7月10日(オンライン版)に掲載されています(注1)。

 研究は過去に実施された3つの大規模研究を調べ直すかたちをとっています。3つの研究とは、①女性89,220人を対象とし1991~2009年に実施された「Nurses’ Health Study II」、②女性74,666人を対象とし1980~2009年に実施された「Nurses’ Health Study」、③男性39,424人を対象とし1986~2008年に実施された「Health Professionals Follow-up Study」です。

 調査機関中に合計2,254人に悪性黒色腫が発生しています。カフェイン摂取量と悪性黒色腫の発生リスクについて検討すると、カフェイン摂取が多いグループでは悪性黒色腫の発症率が有意に低い(0.78倍)という結果が出たようです。ただし性差があり、女性では0.70倍とよりリスクが低いのに対し、男性は0.94倍とそれほど差はでていません。

 悪性黒色腫は全身の皮膚のどこにでも発症します。今回の研究では部位ごとの検討もおこなわれています。コーヒーでリスクが下がったのは、頭部、首、四肢など露光部の悪性黒色腫であり、日光があたらない背中や腹部などではあまり差がなかったようです。

 また、この研究はカフェイン抜きのコーヒーとの関連性も調べられています。カフェイン抜きのコーヒーでは悪性黒色腫のリスクが下がらなかったようです。

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 コーヒーがメラニンの合成を抑制し「シミ」を抑制するということはしばしば指摘されることであり、このサイトでは日本の研究結果を紹介したことがあります(下記医療ニュース参照)。今回の研究で露光部の悪性黒色腫のリスクが特に低下するという結果がでたということは、「コーヒーが紫外線から肌を守る」ということを裏付けています。

 また、コーヒーが「基底細胞ガン」という皮膚ガンのリスクを下げるという研究もあります(下記医療ニュース参照)。基底細胞ガンのリスクもまた「長期間の日光暴露」です。

 紹介・報告が偏らないよう、コーヒーが健康に悪いという研究も紹介してきましたが(下記医療ニュース参照)、トータルでみればコーヒーがガンのリスクを下げ、生活習慣病の予防をおこない、皮膚にも好影響を与えるということはどうやら間違いなさそうです。

注1:この論文のタイトルは「Caffeine Intake, Coffee Consumption, and Risk of Cutaneous Malignant Melanoma.」で、下記のURLで概要を読むことができます。

http://journals.lww.com/epidem/Abstract/publishahead/Caffeine_Intake,_Coffee_Consumption,_and_Risk_of.99164.aspx

参考:

はやりの病気
第22回(2005年12月)「癌・糖尿病・高血圧の予防にコーヒーを!」
第30回(2006年4月)「コーヒー摂取で心筋梗塞!? 」

メディカルエッセイ
第105回(2011年10月)「お茶とコーヒーとチョコレート」

医療ニュース
2014年8月22日「コーヒーで顔のシミも減少」
2014年6月30日「コーヒーで基底細胞癌のリスクが43%も減少」
2013年9月2日「コーヒーの飲み過ぎで死亡リスク増加?」
2013年4月18日「コーヒーでも緑茶でも脳卒中のリスク低減」
2013年1月8日「コーヒーで口腔ガン・咽頭ガンの死亡リスク低下」
2012年10月1日「コーヒーは消化管疾患と無関係」
2008年9月13日「子宮体癌の予防にコーヒーを」
2007年9月3日「コーヒーは肝臓癌のリスクを下げる」

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2015年8月7日 金曜日

2015年8月7日 スパイシーフードで長生きできるか

 唐辛子などの香辛料が使われたスパイシーフードをよく食べる人は食べない人に比べて死亡リスクが14%も低い・・・

 これは医学誌『British Medical Journal』2015年8月4日号(オンライン版)に掲載された研究です(注1)。

 研究は中国・北京大学の学者によりおこなわれています。中国の一般住民487,375人(30~79歳)が研究の対象とされています。対象者は2004年から2008人に登録され、2013年まで追跡調査がおこなわれています。平均7.2年間(正確には「中央値」が7.2年)の追跡がおこなわれ、この期間中に20,224人が死亡しています。

 解析をおこなった結果、唐辛子などのスパイシーフードをほとんど食べない(週に一度未満)の人と比べると、週に1~2日食べる人では死亡リスクが10%低く、週に3日以上食べる人では14%低かったそうです。また、疾患別の調査では、スパイシーフードをよく食べる人は、ガン、(心筋梗塞などの)虚血性心疾患、呼吸器疾患による死亡リスクも少なかったそうです。

 男女比は特に認められなかったものの、アルコールを飲まない人の方が、より死亡リスクが低下していたそうです。

 さらに、どのようなスパイシーフードがより効果があるのかも解析されています。その結果、生の唐辛子に最も大きな効果があったそうです。この理由について研究者は、生の唐辛子にはカプサイシンやビタミンCが豊富に含まれていて、またビタミンA、K、B6、カリウムなども好影響を与えているかもしれないと考察しています。

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 そうか、では早速生の唐辛子を食べよう、と思っても、乾燥唐辛子やパウダー、チリソースならともかく、生の唐辛子(fresh chilli pepper)など日本人にはそう食べられるものではありません。

 研究の対象者が50万人近くですから、統計学的にはそれなりには意味のある研究と言っていいと思いますが、摂取したものは自己申告ですし、また民族による違いもあるでしょうし、現時点ではこの研究を我々日本人は「鵜呑み」しない方がいいと思います。

 また、唐辛子に含まれるカプサイシンが肥満を防ぎ、ガンのリスクを下げると言われることもありますが、どのようなものも「過ぎたるは及ばざるがごとし」という言葉のように度を過ぎてはいけません。

 生の唐辛子を食べ続けると、そのうち胃痛と下痢に悩まされることになるでしょう。

(谷口恭)

注1:この論文のタイトルは「Consumption of spicy foods and total and cause specific mortality: population based cohort study」で、下記URLで全文を読むことができます。

http://www.bmj.com/content/351/bmj.h3942

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2015年8月3日 月曜日

2015年8月3日 食物アレルギーが急増

 食物アレルギーが増加しているというのは、日々の診療で多くの医師が感じていることです。先日、東京都がそれを裏付けるようなデータを公表しました(注1)。

 東京都は5年毎に3歳児を対象としたアレルギー疾患の調査をおこなっています。今回公表されたのは2014年の調査です。3歳までに何らかのアレルギー症状を有し、かつ診断がついた(つまり親御さんがアレルギーを疑っているだけではなくきちんと医師が診断をつけたケース)のは39.3%に上ります。5年前の2009年は38.8%、10年前の1999年は36.8%ですから増加傾向にあります。

 アレルギーを疾患別にみてみると、アトピー性皮膚炎は1999年の16.6%から11.2%と3割以上減少しています。喘息はあまり変わっておらず、アレルギー性鼻炎も顕著な変化はありません。

 一方、大幅に増えているのが食物アレルギーです。1999年が7.1%で、2014年が16.7%ですから2倍以上も増えていることになります。

 原因の食物については、「卵」81.0%、「牛乳」33.3%、「小麦」14.6%、「落花生」9.2%、「大豆」6.3%、「キウイ」6.2%、「えび」5.1%の順で高くなっています。

 5年前(2009年)のデータと比べてみると、順位・割合ともに上昇した食物は、落花生、キウイ、ごま、くるみがあげられます。逆に低下した食物には、えび、いくら、やまいも、そば、かに、さけ、鶏肉、さばがあります。

 なぜ食物アレルギーが増えているのか、この理由についてはコンセンサスが得られた意見は今のところありません。

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 食物アレルギーが増えているのは小児だけではありません。この東京都のようなきちんとしたデータは見たことがありませんが、日本人の成人も確実に食物アレルギーが増えている印象があります。

 一般に、成人のアレルギーというのは「同じ物質に触れ続けることが原因」です。戦後日本はスギを植えすぎてスギの花粉に曝露される機会が増えたためにスギ花粉症が増えたわけですし、動物好きの人が一緒に過ごす時間が長いことでイヌやネコのアレルギーになるということはよくあります。

 したがって、食物アレルギーのいくらかは同じものをたくさん食べ過ぎたからという可能性があります。そのため私は、食物アレルギーの人に、「これ以上アレルギーを増やさないようにするために特定のものを多く食べるような食習慣は避けましょう」と話しをしています。

 しかし、小児の場合は、この「同じものを食べ過ぎたから」という理論は通じません。東京都のデータでは、発症時期は半年くらいで起こっているケースが多いようです。ピーナッツアレルギーの場合は、経皮感作(つまり、皮膚の微小な傷などにピーナッツが触れたことでアレルギーになる)で説明が可能な場合があるのですが(注2)、すべての食物アレルギーをその理屈で説明することはできません。

 食物アレルギーの発生機序については分からないことが多く、新しい研究を待たねばなりません。現在我々がすべき予防対策は、妊娠すればバランスよく食べて偏った食事をしない(ピーナッツはその妊婦にアレルギーがある場合を除いて避けるべきでないことが判っています)、小児期の経皮感作を防ぐ(保湿をしっかりおこなう)、成人も含めて同じものばかりを食べないようにする、といったことです。

注1:東京都のこのデータは下記のURLですべて閲覧することができます。

http://www.tokyo-eiken.go.jp/files/kj_kankyo/allergy/c_naiyou/sansaiji.pdf

注2:下記「医療ニュース」を参照ください。

参考:医療ニュース
2015年3月30日「変わってきたピーナッツアレルギーの予防」
2015年6月29日「ピーナッツアレルギー予防のコンセンサス」

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2015年7月31日 金曜日

2015年7月31日 運動は心房細動のリスクを上げる?下げる?

 運動が健康にいいのは明らかですが、度を過ぎると健康を害します。

 ここ数年間のマラソンブームで市民ランナーが大幅に増加しました。もちろんこれは歓迎すべきことなのですが、なかには限度を超して「マラソン中毒」に陥っている人もいます。彼(女)らの多くは、走行距離のみならず体重や食事内容も厳格にコントロールしていて、シェイアップされた身体のラインは大変美しくいかにも健康的です。

 しかし落とし穴はないのでしょうか・・・。

 適正体重を維持し運動を続ければ、心筋梗塞や脳梗塞などの心血管系疾患のリスクを大幅に下げることができます。しかし、不整脈、とくに心房細動と言われる不整脈については注意が必要です。

 実際、過度な運動負荷で心房細動が増えるという研究(注1)もありますし、日頃みている患者さんのなかで本格的な(元)ランナーで心房細動がある人がいます。心房細動とは心臓の一部が小刻みに震えることにより脈が不整となり血栓(血のかたまり)ができる不整脈です。この血栓が脳につまると脳梗塞を起こします。(長嶋茂雄さんがこの脳梗塞をおこされました)

 運動は心房細動のリスクを下げる・・・。

 これは医学誌『Circulation』2015年5月26日号(オンライン版)に掲載された研究(注2)です。

 研究の対象者は64,561人(平均年齢は54.5歳、女性が46.6%、64%が白人)とかなり大規模です。追跡期間は中央値が5.4年で、その間に心房細動を新たに発症した例は4,616人だったそうです。

(激しいものではなく)適度な運動をすれば心房細動のリスクを下げることができるという研究は過去にもありましたが、この研究が興味深い理由は、運動負荷を上げれば上げるほど心房細動のリスクが下がるという結果がでているからです。

 運動を表す単位はMETsですが、このMETsが1ポイント上昇すると、心房細動の発症リスクが7%低下するという結果がでています。METsが6未満のグループを基準とすると、METs6~9でリスクが20%減少、METs10~11で40%減少、METs11以上では56%もリスクが低下しています。

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 METsに興味がある方は詳しい表(注3)を参照してほしいのですが、目安として、時速6km(速めのウォーキング)1時間で6メッツ、時速8km(ゆっくりのジョギング)1時間で8メッツ、時速10km(適度な速度のジョギング)1時間で10メッツ、時速12km(本格的なランニング)1時間で12メッツ、とすると覚えやすいと思います。

 これまでは激しい運動は心房細動のリスクを上昇させるという意見が多く、心房細動以外にも、過酷な運動が敗血症(全身に細菌が蔓延する危険な状態)になるリスクが上がるとする研究もあります。

 一方、この研究では運動がハードであればあるほど心房細動のリスクを下げるとしており、日頃ハードなトレーニングをつんでいる人にはほっとする研究に思えるでしょう。

 しかし喜ぶのは少し早いかもしれません。この研究ではトレッドミル(フィットネスクラブなどにあるランニングマシーン)を用いて医療者の管理の元で運動がおこなわれています。医療者が厳格に運動量を管理しているために研究の信憑性は高くなります。しかし、(論文にははっきりとは書かれていないものの)運動時間はそう長くなくおそらく1時間程度でしょう。(METsは1時間の運動量です)

 ということは、時速12kmを1時間、つまり1時間に12km程度を走る運動であれば心房細動のリスクを下げることができたとしても、この速度でフルマラソンを走りきったときのリスクについては分かりません。

 運動のやり過ぎは危険性を孕んでいるとみなすべきだと私は考えています。

注1:この研究の論文のタイトルは「Atrial fibrillation is associated with different levels of physical activity levels at different ages in men」で下記のURLで概要を読むことができます。

http://heart.bmj.com/content/early/2014/03/25/heartjnl-2013-305304.abstract

注2:この論文のタイトルは「Cardiorespiratory Fitness and Risk of Incident Atrial Fibrillation: Results from the Henry Ford ExercIse Tesing (FIT) Project」で、下記URLで概要を読むことができます。

http://circ.ahajournals.org/content/early/2015/04/22/CIRCULATIONAHA.114.014833.abstract

注3:例えば国立循環器病研究センターの下記のページが分かりやすくまとめられています。

http://www.ncvc.go.jp/cvdinfo/pamphlet/general/pamph90.html

参考:
医療ニュース(2014年6月2日)「オリーブオイルで心房細動が予防できる可能性」
メディカルエッセイ第142回(2014年11月)「速く歩いてゆっくり食べる(後編)」

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2015年7月27日 月曜日

2015年7月27日 「食べる順番ダイエット」は効果あり

 診察室でダイエットの指導をおこなうことがよくあります。患者さんのなかには「やせぐすりをください」と言う人がいますが、このようなものはよほどのことがない限り使うべきではありません。日本で認可されている唯一のやせ薬マジンドール(商品名は「サノレックス」)は、覚醒剤に似た成分で、服薬している間は食欲が抑制されるためにたしかにやせはしますが、多くのケースでリバウンドがおこりますし、なかにはこの薬がきっかけで覚醒剤に手を出す人もいます(注1)。

 ここ数年間の流行は「糖質制限」で、たしかに成果を出している人もいます。しかし、当院の患者さんでいえば半年から1年もすればリバウンドしている人の方が多いような印象があります。また、リバウンドが強くでて、糖質制限を始める前よりも太ってしまったという人もいます。糖質制限ダイエットはゆるやかなものにすべきであり極端なものは勧められません。

 最近はあまり聞かなくなりましたが、何かだけを食べるというダイエットも勧められません。例えば、キャベツだけ食べるとか、納豆だけ食べるとか、そういったものが流行ったことがありましたが、何年も続けている人はほとんどいないのではないでしょうか。

 ダイエットは長期戦になりますし、成功した後も再び太ることを避けなければなりません。ですから、ダイエットの基本は、無理なく長期間続けることができなければならない、というものです。

 最近「食べる順番ダイエット」の有効性が指摘されるようになってきました。そして、少しずつですが医学的にも実証されつつあります。医学誌『Diabetes Care』2015年7月号(オンライン版)に掲載された論文(注2)によりますと、肥満を合併した糖尿病患者11名を対象とした研究でこのダイエットの有効性が実証されたようです。

 研究で提供された食事は628Kcalで、内訳はタンパク質55g、炭水化物68g、脂質16gです。内容は下記の通りです。

炭水化物:ciabatta bread(チャバタブレッド)(注3)とオレンジジュース
タンパク質:skinless grilled chicken breast(鶏むね肉のグリル)
野菜(と脂肪):vegetables (lettuce and tomato salad with low-fat Italian vinaigrette and steamed broccoli with butter)(レタスとトマトのサラダ、低脂肪イタリアンドレッシング及び蒸しブロッコリー、バター添え)

 炭水化物→タンパク質→野菜の順に食べたときと、その逆、つまり、野菜→タンパク質→炭水化物の順に食べたときの食後血糖値とインスリン分泌量が調べられています。

 結果は、炭水化物を最後にしたときの方が有意に血糖値が低くなり、インスリン分泌量も少なかったようです。(インスリン分泌量が少ないということは、エネルギーを貯めにくい、つまり体重が増えにくいということです)

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 この研究は被験者が11名と少なく説得力がないようにみえるかもしれませんが、「食べる順番ダイエット」は炭水化物の摂り過ぎを自然に防ぐことができます。糖質制限ダイエットのような危険性もなく、誰にでもすぐにでも始めることができる方法ですから、私も患者さんによく勧めています。

 もうひとつ、私が勧めている方法は「水ダイエット」です。これは食事の前にコップ1~2杯の水を飲むという極めて単純な方法でそれなりに効果がでる人もいます(注4)。

 繰り返しになりますが、ダイエットの基本は「無理なく長期間続けること」です。

(谷口恭)

注1:一部の医療機関では処方していますが、適用はBMI35以上に限られます。BMIは体重(kg)÷身長(m)の2乗ですから、例えば身長160cmの人であれば、BMI35以上ということは89.6kg以上となります。また、ごく一部の医療機関ではBMI35未満でも自費診療で処方しているという「噂」を聞いたことがありますが、これは危険です。

注2:この論文のタイトルは「Food Order Has a Significant Impact on Postprandial Glucose and Insulin Levels」で、下記URLで全文を読むことができます。

http://care.diabetesjournals.org/content/38/7/e98.full?sid=f49e4590-a7ed-4f80-b049-1c6ec2ce3012

注3:「ciabatta bread」というものは有名なのでしょうか。私は初めて聞く単語だったのでネット上で調べてみました。日本語ではチャバタブレッドというそうです。写真でみる限り、パスタを注文したときに一緒にでてくるパンのような感じです。

注4:下記コラムを参照ください。

メディカルエッセイ第94回(2010年11月)「水ダイエットは最善のダイエット法になるか」

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2015年7月19日 日曜日

2015年7月21日 危険な亜鉛サプリメント

 私が医学部の学生だった1990年代後半というのはサプリメントの黎明期と呼んでいいのではないかと思っています。ビタミンがガンを予防し、心臓を強くし、おまけに若返りもできるといった情報が飛び交い、ビタミンの次は、ミネラルがいいとか、微量元素がどうのこうのとか、プロポリス、冬虫夏草、イチョウ・・・、とまるでサプリメントを上手く飲み合わせることによって病気とは縁のない生活が送れると言わんばかりの熱狂だったような印象があります。

 当時は医療者の間でもサプリメントに期待する声が多くあり、けっこうな割合で医療者もサプリメントを摂取していたのではないかと思います。サプリメントは今も市場が大きいですし、今でも医療者の中にも購入している人はいるかもしれません。しかし、その後のいくつもの大規模調査で、当初考えられていたような効果は期待できないことがわかり、また有害性もしばしば指摘されるようになり、医療者の間ではあまり話題にも上がらなくなってきています(注1)。

 私が患者さんから「今飲んでいるサプリメントを続けてもいいですか」と聞かれたときは、「気に入って飲んでいるなら続けてもいいと思います」と答えていますが、「〇〇を治すためにサプリメントは有効ですか」と聞かれれば、ほとんどのケースで推薦することはありません(注2)。

 さて、前置きが長くなりましたが今回危険性を伝えたいのは「亜鉛」についてです。

 亜鉛サプリで銅欠乏症となり、貧血、さらには神経症状も出現するかもしれない・・・。

 医学誌『Journal of Clinical Pathology』にこのような論文が掲載されました(注3)。研究は英国グラスゴーの病院でおこなわれています。2000~2010年に病院で亜鉛が処方された70例の患者が対象です。

 その結果、亜鉛が処方される前に血中亜鉛値が測定されていたのが61%で、このうち37%が低値だったそうです。しかし亜鉛低値を示した76%は、他の疾患の影響による亜鉛欠乏、つまり亜鉛を補給するのではなく元の疾患を治すことが先決である状態であることが判ったようです。

 亜鉛を取り過ぎると銅の吸収が阻害されることが分かっています。しかし血中銅濃度が測定されていたのはわずか2例のみだったそうです。分析がおこなわれた70例のうち9例(13%)に、銅欠乏が原因の貧血、白血球減少、神経症状などが認められたそうです。

 ちなみに銅欠乏による神経症状はある程度進行すると回復しないこともあります。

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 亜鉛のサプリメントで謳われている効能として「精子が増える」や「髪が太くなる・増える」というものがありこれらは男性の購買欲を高めますし、「肌がきれいになる」「ニキビを防げる」などは女性の気を引きます。また、味覚低下が気になる人という人で積極的に亜鉛サプリメントを摂取している人もいます。

 では、亜鉛サプリメントを摂取している人で、実際に亜鉛が欠乏している人はどれくらいいるのでしょうか。亜鉛が含まれる食品として有名なものに牡蠣(カキ)や蛤(ハマグリ)がありますが、こんなものを毎日食べることはできません。すると、サプリメントから摂らなくてはならないのかなぁ・・・、と思ってしまうのも無理はありません。

 私は自分の血中亜鉛濃度がどれくらいなのかが気になって調べてみたことがあります。そのときの私の食生活は、ファストフード、牛丼、インスタントラーメンなどが中心で、とても健康的とは呼べないものでした。牡蠣や蛤のような高級食品はめったにお目にかかれないものでした。

 しかし実際に亜鉛の濃度を測ってみると126ug/dLと基準値(66-118ug/dL)を越えていたのです。もしも「食生活が不健康だから亜鉛が不足しているに違いない」と思い込んで亜鉛サプリメントに手を出していたら大変なことになっていたかもしれません。
 
 私の一例だけで判断することはできませんが、世の中の「自分は亜鉛不足に違いない・・・」と思っている人で実際に不足しているという人はそう多くはないのではないでしょうか。

 だとすると危険です。今回紹介した論文が正しいならば、気付かないうちに銅が欠乏し貧血や取り返しのつかない神経症状が出現するかもしれません。

 亜鉛のサプリメントを考えている人は購入前に主治医に相談すべきでしょう。

(谷口恭)

注1:サプリメントや健康食品の正確な情報を知るには下記のサイトが適しています。

国立健康・栄養研究所の「「健康食品」の安全性・有効性情報」

注2:誤解が多いのでここで説明しておくと、ビタミンやミネラル、あるいは微量元素が健康維持に必要なのは紛れもない事実です。しかし、これらをサプリメントで摂っても有効であることは少なく、むしろ有害性がある場合もあるのです。つまり、ビタミンやミネラルはサプリメントからではなく食品から摂るべきということです。お金はサプリメントではなく、新鮮な野菜・果物などに使うべきなのです。

注3:この論文のタイトルは、「The risk of copper deficiency in patients prescribed zinc supplements」で、下記URLで概要を読むことができます。

http://jcp.bmj.com/content/early/2015/05/19/jclinpath-2014-202837.abstract?sid=1ef2cf1a-b829-4e11-8994-e31fb75b2375

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2015年7月15日 水曜日

2015年7月15日 電子タバコ、未成年には禁止すべきでは?

 電子タバコの危険性については、このサイトでも何度か指摘していますが、依然利用者は減らないようで、法的規制がないことから未成年にも広がっているようです。

 この度、厚生労働省の研究班は、電子タバコから通常のタバコに含まれる濃度を上回る発がん性物質が検出されたことを発表しました(注1)。

 研究班が国内で流通している9種の電子タバコを調べたところ、4種から発がん性物質であるホルムアルデヒドが検出されたそうです。さらにそのうち2種は紙巻きたばこの濃度を上回っていたようです。一方、ニコチンについては約100種のうち8種から検出されたものの微量だったそうです。

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 ホルムアルデヒドをそんなに含むものがあるなら、少なくとも未成年には直ちに規制すべきだと思われますが、現在の法律ではニコチンを含まない製品であれば購入を規制することはできないようです。
 
 日本経済新聞2015年6月14日朝刊によりますと、現在電子タバコは世界で400種類以上あり、2013年の市場は約30億ドル(3600億円)だったそうです。2030年までに現在の17倍に増えるとの予測もあるそうです。

 明らかに危険と判っているものを規制せずに静観するのは問題だと思いますが、なぜこんなにも厚労省の対応はのんびりしているのでしょうか・・・。

(谷口恭)

注1:この報告は議事録のかたちで下記のURLで読むことができます。しかし、はっきり言うと非常に読みにくい議事録です。もう少し分かりやすくまとめることはできないものでしょうか・・・

http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000088825.html

参考:医療ニュース
2013年10月5日「電子タバコは本当に有効なのか」
2009年7月31日「「電子タバコ」はやはり危険!」
2008年9月26日「「電子タバコ」に要注意!」

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2015年6月29日 月曜日

2015年6月30日 減らない「まつ毛エクステ」のトラブル

 太融寺町谷口医院は都心部に位置していることもあり、美容関係のトラブルに合ったという患者さんがしばしば受診されます。脱毛時の熱傷と並んで多いのがまつ毛エクステンション、「まつ毛エクステ」の被害です。

 2010年2月、独立行政法人国民生活センターはまつ毛エクステの被害が相次いでいることを発表し、当院の「医療ニュース」(下記参照)でも報告しました。

 同センターの発表でトラブルが減少することが期待されたのですが、危害はむしろ増加傾向にあるようです。

 2015年6月4日、同センターは「後を絶たない、まつ毛エクステンションの危害」と題した報告をおこないました(注1)。
 
 同センターによりますと、まつ毛エクステンションの施術を受けたことにより目が痛くなったなどの危害情報が2010年度以降599件に上り、毎年100件以上で推移しているそうです。

 まつ毛エクステは法的に「美容行為」であり、施術者には美容師の免許が必要です。しかし無免許の者が施術することがあるようで、警察庁によりますと、美容師法違反での検挙数、つまり無免許でまつ毛エクステを実施したことでの検挙数が2013年に18件、2014年は12件に上ります。

 同センターでは報告書のなかで次の呼びかけをおこなっています。

まつ毛エクステンションは美容行為であり、業として行うに当たっては美容師の免許が必要です。美容師ではない人が施術をしていると思われたら、最寄りの保健所や都道府県の衛生担当部署へ情報提供してください。

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 ちなみに法律では「美容師は、美容所以外の場所において、美容の業をしてはならない」と定められています。(美容師法第7条) またこの法律では美容所の開設には都道府県知事への届出が義務づけられています。(同法第11条)

 以前当院にまつ毛エクステのトラブルで受診された患者さんは、「施術を受けたエステティックサロンは美容室とはまったく違うし、届出しているとも思えない。エステティシャンが美容師の免許を持っていたとも思えない。そもそも危険性についても説明はまったくなかった」と話していました。

 ちなみにこの患者さんは、このトラブルを国民生活センターや保健所に届けていません。おそらく、同センターが報告としてあげている数字は「氷山の一角」で、実際にはこの何倍、何十倍の被害者がいるのでしょう。

 法律にはたしかに「かたちだけ」で現実的でないものもありますが、まつ毛エクステのトラブルは接触皮膚炎(かぶれ)や感染症(細菌性結膜炎)も多くあり、早期治療が必要な被害です。

 トラブルが生じた場合、責任は加害者にありますが、後遺症が残ってからでは遅すぎます。「自分の身は自分で守る」という原則を思い出し、国民生活センターが呼びかけている「美容師ではない人が施術をしていると思われたら、最寄りの保健所や都道府県の衛生担当部署へ情報提供してください」という忠告は覚えておくべきでしょう。

注1:国民生活センターのこの発表は下記URLで全文を読むことができます。

http://www.kokusen.go.jp/pdf/n-20150604_1.pdf

参考:医療ニュース2010年2月22日「まつ毛エクステのトラブルが急増」

投稿者 医療法人 谷口医院 T.I.C. | 記事URL

2015年6月29日 月曜日

2015年6月29日 ピーナッツアレルギー予防のコンセンサス

 ピーナッツアレルギーに対する考え方が変わってきている、ということを以前お伝えしました。(下記「医療ニュース」参照)

 以前の考え方では、妊娠中はナッツ類の摂取を避けて、出生後も早い段階でナッツを食べるべきでない、とされていましたが、これを完全に否定する研究が相次いで発表されました。つまり、母親は妊娠中にナッツを積極的に食べるべきで、出生後は、早期に積極的にナッツを食べさせた方がアレルギーが起こりにくいという考えが注目されているのです。

 従来のこととまったく正反対のことが主張されると当然混乱を招きます。「ピーナッツを食べるな!」が、一転して「早く食べろ!」となったわけですから、いわばコペルニクス的な展開です。

 現場の混乱を抑えることを目的として、世界のアレルギーに関する10の学会が共同でコンセンサスを発表しました(注1)。10の学会は、アメリカ、ヨーロッパ、カナダ、オーストラリアなどのアレルギー関連の大きな学会で、「日本アレルギー学会」もその1つに入っています。

 コンセンサスでは、最近の研究(注2)を引き合いに出し、重症の湿疹や卵アレルギーのある乳児が早期にピーナッツを摂取すると、ピーナッツアレルギーの発症を大幅に減らすことができるとしています。

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 このコンセンサスを受けて「すべての乳児がピーナッツを早期に食べる」のは危険です。この共同声明が引き合いに出しているのはLEAPと命名された大規模研究ですが、すべての乳児がピーナッツを食べてよい、と言っているわけでは決してありません。

 ピーナッツアレルギーというのは、一気に重症化する可能性もありますから、安易に食べさせると取り返しの付かないことになりかねません。ですから、すでにピーナッツアレルギーの可能性がある小児の親御さんは、まず主治医に相談すべきです。

 ピーナッツアレルギーかどうかを知りたいので血液検査をしてほしい、という依頼がときどきありますが、血液検査のデータは、特に小児の場合はあくまでも「参考」です。問診及び食物負荷試験(入院してもらい実際にピーナッツを摂取してもらう試験)が必要になります(注3)。

 今回のコンセンサスとこれまでの研究などから考えて現段階で言えることは次のとおりです。

・母親にピーナッツアレルギーがなければ妊娠中にピーナッツを積極的に食べて問題ない。

・乳児自身にアレルギー疾患を疑うエピソードがなければ早期にピーナッツを積極的に摂取してもよい。(むしろ積極的に摂取すべき)

・何らかのアレルギー疾患を有している小児は、ピーナッツを摂取すべきかどうかまず主治医に相談すべき。

 また、このサイトで過去に何度か紹介している「Dual Allergen Exposure Hypothesis」(2通りのアレルギー曝露仮説)を考慮すると、次の2つも重要です(注4)。

・湿疹や傷があった場合、保湿をしっかりおこなうなどして、ピーナッツのエキスが皮膚に触れないようにしなければならない。

・ピーナッツオイルを皮膚に塗るべきではない
 
 ピーナッツアレルギーはいったん発症すると治りにくく、重症化しやすく、アーモンドやカシューナッツなど他のナッツ類なども食べられなくなることもあります。一方では、ナッツ類は非常にすぐれた健康食でありますから、できることなら何としてでもアレルギーは避けたいものです。

 乳児期のピーナッツアレルギー対策がその後の人生に大きな影響を与えると言っても過言ではないでしょう。

注1:このコンセンサスは下記URLで全文を読むことができます。

http://www.jacionline.org/pb/assets/raw/Health%20Advance/journals/ymai/Consensus_Communication_Submission_Unmarked.pdf

また日本アレルギー学会のサイトにも和文で掲載されています。

http://www.jsaweb.jp/modules/news_topics/index.php?page=article&storyid=232

注2:このコンセンサスで最も重視している研究の概要は下記URLで参照することができます。

http://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa1414850

注3:入院施設のない医療機関ではこの試験はできませんし、実施できる医療機関は現時点で多くなく今後対応できる病院が増えることが望まれます。太融寺町谷口医院では、アレルギー検査については現在は成人のみを対象としています。

注4:これについて詳しくは下記「メディカルエッセイ」を参照ください。

参考:
メディカルエッセイ第136回(2014年5月)「免疫学の新しい理論」
医療ニュース(2015年3月30日)「変わってきたピーナッツアレルギーの予防」

投稿者 医療法人 谷口医院 T.I.C. | 記事URL

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