医療ニュース
2011年6月3日(金) 出生率上昇、人口減12万人、自殺3万人以下に
6月1日、厚生労働省は2010年の人口動態統計(概数)を発表しました。
合計特殊出生率(1人の女性が生涯に産むと推定される子供の数)は1.39に上昇しています。合計特殊出生率は、2005年に過去最低の1.26を記録し、2006年から2008年は上昇、2009年は2008年と同様でした。(注)
出生率が上昇した原因として、同省は、「30代後半及び第2子以降の出産が増えたため」と分析しています。しかしながら、同省は、「上昇に転じたものの、少子化傾向は今後も続くとみられる」とコメントしています。
出生率を年齢別にみると、10代後半~20代前半は2009年より低下し、20代後半~40代後半は上昇しています。第1子出産時の平均年齢は29.9歳でこれは2009年より0.2歳上昇したことになります。
都道府県別では沖縄が最高で1.83(2009年も首位は沖縄で1.79でした)、次いで島根と宮崎が1.63、さらに熊本1.61、鹿児島1.60と続きます。最低は東京の1.12です。
出生数から死亡数を引いた自然増減はマイナス125,760人で、10万人を超えたのは初めてとなります。内訳は、出生数が1,071,306人、死亡数が1,197,066人です。
死因の1位はガンの353,318人で、これで30年間連続の首位となります。2位が心疾患の189,192人、3位は脳血管疾患で123,393人です。
結婚は700,213組で2009年より7,521組の減少、離婚は251,383組で2009年より1,970組の減少となります。
自殺は1,183人減の29,524人で、3万人を下回ったことになります。(注2)
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注1:合計特殊出生率を詳しくみると、2004年1.29、2005年1.26、2006年1.32、2007年1.34、2008年1.37、2009年1.37、2010年1.39です。
注2:警察庁のデータでは、2010年の自殺者は3万人を越えています。(下記医療ニュース参照) 厚生労働省と警察庁で自殺者数の発表が異なるのは、統計の取り方が異なるからです。厚生労働省は、市町村に届出された「死亡届」を基にしているのに対し、警察庁は、死亡届が出された後に自殺と判明したケースも「自殺者」に含めています。そういう意味では、警察庁の統計が実態をより正確に示していると言えるでしょう。
参考:医療ニュース
2010年6月7日「2009年の合計特殊出生率は横ばい」
2011年3月8日「日本の自殺者、13年連続で3万人超」
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