医療ニュース

2024年9月8日 糖質摂取で認知症のリスクが増加

 今月号の「はやりの病気」で、「コレステロールが認知症の(予防できる)最大のリスク因子だ」という画期的な報告を紹介しました。その報告には他にも認知症のリスクが紹介されていて、これらはしっかりとしたエビデンスがある因子と考えて差支えありません。

 今回紹介する認知症のリスクについても「前向き研究」(対象を2つのグループに分け数年後にどれだけ違いがあったかを検証する方法)で検討されていますから、それなりにエビデンスレベルは高いと言えます。医学誌「BMC Medicine」2024年7月18日号に掲載された論文「砂糖摂取と認知症リスクの関連性:210,832人の参加者を対象とした前向きコホート研究(Associations of sugar intake, high-sugar dietary pattern, and the risk of dementia: a prospective cohort study of 210,832 participants)」を紹介します。

 研究の対象者は英国のデータベース「UK Biobank cohort」に参加した210,832人で、平均年齢は56.08±7.99歳、116,153人(55.09%)が女性です。食事中の糖質の相対摂取量(%g/kJ/日)がどれだけ認知症のリスクにつながるかが調べられました。結果、糖質の摂取量が多ければ認知症全体では31.7%のリスク上昇、アルツハイマー病では24%リスクが上昇することが分かりました。

 興味深いことに、ApoEε4で調べると、ヘテロでもつ(ApoEε4を1つもつ)場合に、糖の摂取が最もリスクになることが分かりました。なぜ、ホモでもつ(ApoEε4を2つもつ)ときにリスクが低下しているのかは不明ですが、サンプル数が少なくて正確な結果がでない可能性が指摘されています。

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 砂糖を含む製品にもいろいろあり、生のフルーツが本当に認知症のリスクになるのかについては結論を出さない方がいいでしょう。確実にリスクとなる砂糖を含む製品は「砂糖入り飲料」です。

 

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