医療ニュース
2007年6月11日(月) はしかの女子高生(日本)と結核の弁護士(米)
4月に関東で勃発したはしか(麻疹)のアウトブレイクは、全国に広がり依然とどまる様子がありませんが、修学旅行でカナダ西部を訪れた東京都内の私立女子高生が、はしかの疑いで「隔離」されていたことが分かりました(報道は5月30日の共同通信)。
報道によりますと、この女子高生がはしかが強く疑われるとのことで「隔離」をされ(”強く疑われる”とされているのは検査結果が報道時点で出ていないからだと思われます)、同行グループの41人が予防接種を受けています。
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私は以前、米国の医師に、「日本では結核が少なくない」という話をしたところ、「日本は先進国ではないのか。先進国で結核が多いなどということはあり得ないではないか・・・」、と驚かれたことがあります。
報道からは日本人に対する非難の声は上がっていないようですが、おそらく先進国のカナダからすると、「なぜ先進国の日本ではしかが流行しているのか・・・」と感じているのではないかと思われます。
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一方、米国の弁護士がとんでもない行動をとり世界中から非難の声が殺到しています。
6月1日のロイター通信によりますと、31歳の米国の男性弁護士が、薬に対して非常に強い耐性を持った危険な結核菌(XDR-TB)に感染し、米疾病管理局(CDC)から旅行しないようにとの助言を受けていたのにもかかわらず、自らの挙式のため、アトランタからパリ経由でギリシャに入国しました。
この男性は、新婚旅行で訪れたローマで米疾病管理局から一般の飛行機に乗らないように警告されましたが、男性はプラハ発の飛行機でカナダに入り、車で米国に帰国しました。この帰国の際に拘束されるべきであったのに、その措置が取られなかったことが騒ぎをさらに大きくしているようです。
男性は現在、1963年以来となる強制隔離命令を受けて入院しており、テレビにはマスクをつけた姿の録画で出演して謝罪しました。男性の周りにいた旅客は結核検査を受けるよう疾病管理局から求められているようです。
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この弁護士は、他人への危険を考えない無責任な行動との批判に対して、当初「自分は高い教育を受けた頭の良い人間」などと自己正当化したことが火に油を注ぐことになりました。
そういえば、2005年にはSARS(重症急性呼吸器症候群)に感染した疑いがもたれていた台湾人の医師が日本に入国したことが大きな問題になりました。
“高い教育を受けた頭の良い”弁護士や、医学知識のあるはずの医師がこのような無責任な行動に出るわけですから、報道されていないだけで似たような事件はいくらでもあるのかもしれません。
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