医療ニュース

2008年8月8日(金) 厚労省のタミフル異常行動調査で解析ミス

 「インフルエンザ治療薬のタミフルを小児に使っても問題がない」とする調査報告を厚生労働省がおこなったことに対して、被害者の会や医師らが反対の意見を述べているというニュースを先日お伝えしましたが(2008年8月4日(月)「波紋を呼んでいるタミフル調査結果」)、こういった動きが原因しているのか、厚生労働省は、先月公表した報告には解析ミスがあったと発表し物議をかもしています。

 厚生労働省は8月5日、タミフルの異常行動との因果関係の調査で、解析過程の一部にミスがあったことを発表しました。(タミフルと異常行動に関係がないとする)結果への影響を検証するため、因果関係について最終的な結論を出す安全対策調査会の開催を9月以降に延期することを決定しています。当初の予定では今月中に調査会を開いて結論を出す予定でした。(報道は8月6日の毎日新聞)

 厚生労働省によりますと、ミスが判明したのは、インフルエンザにかかった18歳未満の約1万人を対象にした異常行動に関する調査結果で、最初の発熱時刻と医療機関にかかった初診の時刻をデータベースから引き出す過程のなかで、プログラムの不具合により一部に別のデータが引き出され、それを使って解析していたとのことです。

 同省は「解析に重要なタミフル服用の時刻や異常行動の発生時刻に間違いがあったわけではない。調査結果への影響は大きくないと考えられるが、科学的議論に万全を尽くすため、影響がないか確認する」と説明しています。

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 「プログラムの不具合により一部に別のデータが引き出され・・・」などと言われると、厚生労働省が発表している他の調査報告は大丈夫なのかな、と思ってしまいます。

 いずれにしても、タミフルと異常行動の”科学的な”調査報告を待ちたいものです。

(谷口恭)

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