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2013年7月26日 金曜日
2009年2月24日(火) 出生数は増加したものの・・・
2月20日、厚生労働省は人口動態統計を発表し、2008年に生まれた赤ちゃんの数が、前年(2007年)より2,518人多い1,123,455人であることが分かりました。2006年以来2年ぶりの増加となりますが、2008年がうるう年だったことを考慮すると、実態としては前年比でほぼ横ばいとなります。
一方、死亡数は1,153,266人で、国の統計資料が残っている1947年以降で最多となります。出生数から死亡数を差し引いた自然増加数は、2007年の+1,445人から大きく減少し、マイナス29,811人となります。
1人の女性が生涯に産む子供の推定値となる合計特殊出生率は6月に発表される予定ですが、今のところ厚生労働省は、2007年の1.34より0.02程度増加すると予想しています。合計特殊出生率は2005年に過去最低に1.26を記録しましたが、その後はわずかながら上昇傾向にあります。
2008年の婚姻は743,176組で、2007年より6,049組多かったようです。
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うるう年という事情があったにせよ、一応赤ちゃんの数は増えて、婚姻数も増加しているのは好ましいことと思われます。しかし、人口の自然増加数がマイナスになっているわけで、本格的な”人口減社会”がやってきたという感じがします。
(谷口恭)
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|2013年7月26日 金曜日
2009年2月27日(金) 日本脳炎の新ワクチンがついに承認
厚生労働省は2月23日、阪大微生物病研究会が開発した日本脳炎ワクチン「ジェービック5」を正式に承認しました。(報道は2月25日の読売新聞)
この新しいワクチンは、これまでのワクチンよりも副作用が少ないと考えられており、今夏の流行シーズンを前に、5月に発売を開始する見通しです。
日本脳炎のワクチンは従来、定期接種の対象でしたが、重い副作用が出現したために2005年から積極的な接種は控えるように勧告されていました。そのため、現在は年間10例程度の日本脳炎患者が再び増加するのではないかと懸念されていました。
新しいワクチンの定期予防接種の勧奨が再開されるかどうかは、26日に開かれる会合で検討される予定です。
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これで一安心といったところですが、定期接種が実施されだしたときに今度は供給量の不足が起こらないかどうかが心配です。
(谷口恭)
参考:
はやりの病気 第63回 「日本脳炎を忘れないで!」
医療ニュース 2009年2月2日「日本脳炎の新ワクチン承認の見通し」
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|2013年7月26日 金曜日
2009年3月10日(火) メタボ腹の基準をめぐって
メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)の診断基準は、腹囲が男性で85センチ以上、女性で90センチ以上ということになっています。しかし、この基準をめぐって以前から様々な議論があり、専門家の間でも意見がわかれていました。
この度、「単に腹囲が大きいだけでは生活習慣病の危険要因としては不十分」という調査結果を厚生労働省の研究班が発表し議論を呼んでいます。(報道は3月2日の読売新聞)
研究班では、無作為に選んだ愛知県内の40~82歳の男女3,253人について、内臓脂肪の断面積をコンピューター断層撮影法(CT)で計測しました。内臓脂肪面積が100平方センチ以上の肥満の人とそれ未満の人で、2000年から6年間、心臓病や脳卒中を引き起こす動脈硬化の進み具合を、心臓の冠動脈や脳血管の梗塞の有無など6項目で比較しています。
その結果、肥満の人は、そうでない人に比べ、動脈硬化のある人の割合が、心臓の冠動脈は女性では約1.2倍となっていますが男性では差がみられず、脳内の細い血管では男性は約1.2倍となっていますが女性では差はほとんどありません。6項目すべてで差は1.5倍未満にとどまっており、「全体として関連はそれほど強くない」と分析されています。
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昨年4月から「特定検診」(いわゆる「メタボ検診」)が始まっていますが、この検診の基準は腹囲が重視されており、血圧、血糖値、脂質のすべての異常があったとしても、腹囲が基準を超えていなければ指導の対象にはなりません。
一方、実際の患者さんをみていると、肥満度はそれほどたいしたことがないのに糖尿病があったり高脂血症があったり、ということがよくあります。
腹囲の診断基準に関する”論争”が過熱しすぎているような感じがします。
(谷口恭)
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2009年3月17日(火) 米国、不況が原因で睡眠不足が増加
米国人の3人に1人が、不況や仕事・財政面の不安から十分な睡眠を取れていない・・・
これは、米国睡眠財団(NSF)の年次調査により明らかになったことです。(報道は3月13日のHealthDayNews)
今回の調査では、対象者の27%が、過去1カ月に個人的財政(16%)、米国経済(15%)、失業(10%)などの経済的問題が原因で睡眠を妨げられたことがあった、と回答しています。
また、睡眠障害を訴える人は2001年から13%増加しているのに対して、規則的に8時間の睡眠を取っている人は2001年の38%から28%に減少しています。
報告者の1人で米ワシントン大学教授のMichael V. Vitiello氏によりますと、財政的な不安が睡眠に影響している人は、十分に睡眠の取れている人に比べて、仕事の効率、運動、健康的な食事、性生活が低下しているほか、睡眠不足のために家族のイベント、レジャー、仕事で必要な場に参加できない比率が2倍以上になるそうです。
米国では約7千万人が慢性的な睡眠不足や睡眠分断の問題を抱えていると言われています。睡眠障害は男性よりも女性に多くみられ、年齢とともに増大する傾向にあるようです。
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7千万人もの人が睡眠障害を抱えているなかで、実際に医師に相談したことがある人は全体の3分の1程度だそうです。
日本人に対する同様の調査は見たことがありませんが、日本も米国と同様(米国以上に?)不況にあえいでいますから、睡眠障害が増えているかもしれません。そういう目でみてみると、太融寺町谷口医院でも睡眠障害を訴えて受診する人が増えているようにも感じます。
(谷口恭)
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2009年3月17日(火) 肝癌予防には野菜はよくて果物はNG
野菜を多く食べる人は、少ない人に比べ、肝癌を発症する危険性が4割低くなるが、果物の取り過ぎは逆にリスクを高める可能性が高い・・・
これは厚生労働省研究班の調査で明らかになったことです。(報道は3月12日の読売新聞)
研究班は40~69歳の男女約2万人を約12年間追跡調査しています。野菜や果物の摂取量の多寡で「多」「中」「少」の3グループに分け、肝癌発症との関連を調べました。
この期間中に約100人が肝癌になり、そのうち8割はB型かC型の肝炎ウイルスに感染していましたが、野菜摂取量「多」のグループは「少」に比べ、肝癌の発症率が約40%低くなっています。一方、果物摂取量「多」のグループは「少」に比べ、発症率が45%高くなっています。
緑黄色野菜に多く含まれるカロテンは肝癌予防作用が確認できたようですが、果物に多いビタミンCは逆に肝癌の危険性を高める傾向があるようです。
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一般的に身体に良いと言われているビタミンCが肝癌の危険性を高めるというのは意外な結果のように思われます。食べ物だけでなくサプリメントの摂り過ぎにも注意した方がよさそうです。
ただ、肝癌に関しては、大半がウイルス性の肝炎が原因となっていますから、まずは食事ではなく感染予防対策を考えるべきです。特に、感染力が大変強いB型肝炎ウイルスに関してはワクチン接種を早めに受けるのが最も賢明な方法です。
(谷口恭)
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2009年3月17日(火) 喘息発作、週1回以上が7人に1人
喘息患者の7人に1人は週に1回以上の発作が起きている・・・
これは、気管支喘息の患者団体「喘息患者の声を届ける会」(代表世話人・宮本昭正東大名誉教授)の調査であきらかとなったことです。(報道は3月13日の読売新聞)
同会は、2008年10月、5つの患者団体に所属する4,473人を対象に郵送とインターネットを通じて調査を実施し、1,984人が回答しています。
発作の頻度について、「発作が毎日起きている」という回答は全体の2%で、「軽い発作が毎日」が5%、「軽い発作が週1回以上」が7%となっており、これらを合わせると全体の7人に1人が週に1回以上の喘息発作に苦しんでいることになります。
喘息であきらめたものがある人は57%で、あきらめたものとして挙げられているのが「友人との外出」「ペットの飼育」「仕事」などが上位を占めています。
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日本の喘息患者はおよそ400万人と言われています。患者団体に属しているのは、それなりに「重症」の人でしょうから、400万人のなかの7人に1人が週1回以上の発作を起こしているというようなことはないと思いますが、太融寺町谷口医院にかかっている喘息の患者さんのなかにもこれくらいの頻度で発作をおこしている人もいます。
ただ、そういった人のなかには、きちんと薬を使っていなかったり、喫煙者と同じ場所にいたりといったことが多いように思います。(なかには、自らタバコを吸っている人もいます!)
まずは、規則正しい生活をし、適切な治療をおこなうことが大切でしょう。喘息の治療薬は値段が高いのが難点ではありますが・・・。
(谷口恭)
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2009年3月17日(火) アジアでデング熱が蔓延
アジアでデング熱が急増しているというニュースは、一昨年(2007年)から何度もお伝えしていますが、WHO(世界保健機関)が3月11日に正式な発表をおこないました。(報道は3月13日の共同通信)
WHOによりますと、アジア全域でのデング熱による死者数は2008年には3,255人となり、2003年の1,202人に比べておよそ3倍にもなっています。
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デング熱は軽症で済むことも多いですが、一部には出血して死亡する場合もあります。現時点では特効薬もワクチンもありません。予防が何よりも大切なことです。
(谷口恭)
参考:はやりの病気第60回「虫刺されにご用心」
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2009年3月24日(火) 百日咳が今年も流行
昨年も一昨年も百日咳が増えているというニュースをお伝えしましたが、今年(2009年)になっても、過去10年間で最悪のペースで増えていることが国立感染症研究所の調査で明らかとなりました。(報道は3月23日の読売新聞)
この調査は、国内3千の小児科を標榜している医療機関が対象となっています。3月8日までに報告された今年の患者数は775人で、昨年のこの時点が582人ですから、およそ1.3倍となります。
百日咳はここ数年で急増しており、2005年は1,358人、2007人が2,926人、2008年には6,749人となっています。このペースでいくと今年(2009年)は、10年間で過去最高となりそうです。
同研究所によりますと、ここ10年の特徴として大人の感染が増えています。10年前は20歳以上の患者の割合は数パーセントでしたが、昨年は36.7%を占めています。百日咳は定期予防接種の対象ですが、乳幼児の時に接種したワクチンの効果が薄れていることが原因と考えられています。
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百日咳の流行は春から夏ですから、今後急激に増えていくかもしれません。
以前にも書きましたが、百日咳は小児科のきまった医療機関でしか報告義務がありません。通常咳がでると成人は小児科ではなく内科などを受診するでしょうから、実際の感染者は報告よりもはるかに多いことも考えられます。
長引く咳は放っておかないように・・・。
(谷口恭)
参考:医療ニュース
2008年4月19日「百日咳が急増!」
2007年9月3日「百日咳が大人に流行」
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|2013年7月26日 金曜日
2009年3月26日(木) 総人口減少、65歳以上は過去最高
2008年10月1日現在の人口について3月23日総務省が発表しました。(報道は3月24日の共同通信)
総人口は前年(2007年)に比べ7万9千人減(0.06%減)の1億2769万2千人で、3年ぶりの減少となります。
女性は2万人減の6544万1千人と、1950年以降で初めての減少となっています。女性の出生児数は死者数を7千人上回る「自然増」でしたが、出国者数が入国者数を2万7千人上回る「社会減」となり、結果として全体で2万人の減少となります。男性人口は5万9000人減の6225万1000人となっています。
男女を合わせた65歳以上の人口は2821万6千人、総人口に占める割合は0.6ポイント増の22.1%となり、人数・割合とも過去最高を更新しました。一方で、14歳以下は人数1717万6千人、割合13.5%で過去最低となっています。
男女を合わせた自然増減については、出生児数が110万8千人、死亡者数が114万2千人で、3万4千人減り2年連続の減少となります。初めて減少に転じた2007年のマイナス2000人から、減少数が大幅に拡大したことになります。
外国人は6万5000人の入国超過となっていますが、日本人は出国超過数が11万人と大幅に増加しています。
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女性が減った要因について、総務省は「海外で長期滞在する日本人女性が増えていることが理由の一つと考えられる」と説明しています。
おそらくこれから毎年65歳以上の人口の割合が増えていくものと思われます。世界のどこもが経験したことのないような「超高齢化社会」の到来です。
(谷口恭)
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|2013年7月26日 金曜日
2009年3月27日(金) 子供の誤飲にご注意を!
ビーズやコインなどを子供が口や鼻に入れてトラブルになる事故が6年間で2,995件。
国民生活センターの調査でこのようなことが分かりました。(報道は3月17日の読売新聞)
この調査は、2003年4月以降に10歳未満の子供におこった誤飲事故をまとめたものです。
異物が体内に入った症例を部位別に見ると、一番多いのが腹部の37.1%、次いで食道(24.4%)、口(17.5%)、鼻やのど(11.6%)と続きます。
誤飲したものとして多いのは、タバコ、碁石、ビーズ、ビー玉など、家庭内の身近なものが大多数を占めています。
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私が小児科で研修を受けていた頃、「おもちゃやお金(硬貨)を飲み込んだ」、という理由で外来に駆け込んでくる親御さんがときどきいました。レントゲンを撮影し、肛門から取り出せそうなものは浣腸などを試みますが、やむを得ず内視鏡で取り出さざるを得ないこともあります。
多くは事なきを得るのですが、ボタン型の電池などの場合は粘膜を腐蝕させるため危険な場合があります。実際、国民生活センターによりますと、「3歳男児がボタン電池を鼻に入れたまま1か月気づかず、鼻の内部組織が壊死(えし)した」というような報告もあるようです。
当たり前のことですが、子供の手の届くところに小物類を置かないようにしましょう。
(谷口恭)
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