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2013年7月14日 日曜日
2010年8月23日(月) 飲酒が関節リウマチに有効?
飲酒をすることによって、関節リウマチに罹患するリスクが低減するだけでなく、すでに発症している人の症状緩和にも有効である・・・
このように意外な研究結果が発表され話題を呼んでいます。この研究は英国Rotherham 病院のJames Maxwell氏らによって実施され、医学誌『Rheumatology』2010年7月28日号に掲載されています。
この研究は、健康な被験者1,004人と関節リウマチ患者873人を対象として、①全く飲酒しない群、②月に1~5日飲酒する群、③月に6~10日飲酒する群、④それ以上の頻度で飲酒する群、の4群に分けて比較しています。
研究によりますと、アルコールの摂取頻度が高いほど関節リウマチの程度が軽い、という結果となっています。最も飲酒の頻度が低い群(②)でも、全く飲まない群(①)に比べると明確な差(少しでも飲めば症状が軽い)が認められたそうです。全く飲酒しない群(①)は、関節リウマチのリスクが最も頻繁に飲酒する群(④)の4倍にもなったそうです。この関連は男女ともに認められ、男性の方により強い傾向があったそうです。
この理由について、Maxwell氏は、「アルコールは関節に炎症をきたす免疫反応を低下させ、さらにある程度の鎮痛作用もあると考えられる」、と述べています。
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この研究結果を単純に受け取ると、「では、リウマチ予防にお酒を飲もう、リウマチにかかってしまっても症状を和らげるためにお酒を飲もう」、ということになるかもしれませんが、それほど単純なものではありません。
実際、この論文の執筆者のJames Maxwell氏は、「リウマチの治療目的での飲酒はすすめられない」、と述べています。
この研究では、飲酒の頻度のみが調べられており、飲酒量について触れられていないことも気になります。いったい、どの程度のアルコール量がリウマチのリスクを低減させる可能性があるのかがまるで分かりません。
リウマチとアルコールの関係を分析した研究は(私の知る限り)他に見当たりませんし、今回の研究もまだまだ初期段階と考えるべきだと思います。現時点では、「お酒はほどほどに・・・」と考えるべきでしょう。
注:この論文のタイトルは、「Alcohol consumption is inversely associated with risk and severity of rheumatoid arthritis」で、下記のURLで概要を読むことができます。
(谷口恭)
参考:医療ニュース
2010年5月21日 「飲酒によりリンパ系腫瘍のリスクが低減」
2010年5月24日 「妊娠中の飲酒、子供の白血病のリスク上昇」
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|2013年7月14日 日曜日
2010年8月30日(月) カルシウム・サプリで心筋梗塞のリスクが増加?
カルシウムのサプリメントは心筋梗塞などの心臓病のリスクを増大させる可能性がある・・・
ニュージーランド、オークランド大学のMark J Bolland氏がこのような研究を発表し、注目されています。(医学誌『British Medical Journal』で発表、詳細は注参照)
この研究は、「メタ解析」といってこれまでに報告されている研究のデータベースをもとに総合的に解析する方法をとっています。対象とされた研究は、100症例以上、平均年齢40歳以上、試験期間1年以上、1日に500mg以上のカルシウムサプリメントを摂取していたことなどを条件としています。
その結果、心筋梗塞などの心臓病を発症するリスクが約30%も増大するという結論が算出されたというわけです。
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この結果をどのように解釈し、患者さんに助言すべきか、今、私は悩んでいます。この研究では、カルシウムサプリメントは、ビタミンDを併用していない症例を対象としていますが、ビタミンDを併用すれば心筋梗塞のリスクが減るかどうかについては調べられていませんし、著者もそのあたりについてははっきりした言及をしていません。(一般的にカルシウムのサプリメントが勧められるのは骨粗しょう症を予防したいときで、その場合、ビタミンDの併用が勧められます)
また、この研究では、カルシウムのサプリメントを200mgとか300mgにした場合はどうなのか、また、マグネシウムと併用した場合はどうか、といった点にも触れられていません。
さらに、食品からカルシウムをとる場合はどうなのか、食品からカルシウムを摂り過ぎる危険性はあるのか、といった点も不明です。
参考までに、日本人は(特に食事が西洋化してからは)カルシウムが不足していると言われています。厚生労働省が基準にしている1日のカルシウムの摂取量は、下限値が210mg、上限値が600mgとされています。
次の研究を待ちたいところですが、当分の間、「規則正しい食事をする」以上のことは言えそうにありません。
(谷口恭)
注:この論文のタイトルは「Calcium supplements in people with osteoporosis should not be given without concomitant
treatment for osteoporosis」で下記のURLで全文を読めます。
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|2013年7月14日 日曜日
2010年9月6日(月) やはり悪玉コレステロールが高い方が長生き!?
医療ニュース2010年7月14日「悪玉コレステロールが高い方が長生き!?」で、悪玉コレステロール(以下LDLコレステロール)が高い方が長生きするという研究があり、9月に日本脂質栄養学会で発表されると読売新聞が報道した、ということを紹介しました。
その学会は9月3日、4日に愛知県犬山市で開催されました。学会開催を受けて、読売新聞は再度この研究についての報道をし、さらに毎日新聞も同様の報道をおこないました。
9月3日の毎日新聞(オンライン版)によりますと、日本脂質栄養学会の浜崎智仁教授らは、男性ではLDLコレステロール値が79mg/dL以下の人より、100~159mg/dLの人の方が死亡率が低く、女性ではどのレベルでもほとんど差がないとの結果を発表したそうです。
日本脂質栄養学会は昨年、浜崎教授を委員長に『長寿のためのコレステロールガイドライン策定委員会』という委員会を設置しています。そのガイドラインに「特別な場合を除き、動脈硬化性疾患予防に(コレステロール値)低下目的の投薬は不適切」という内容を盛り込むことを検討しているそうです。
毎日新聞によりますと、浜崎教授は、「日本でコレステロール値を下げる薬の売り上げは年間約2,500億円。関連医療費も含めると7,500億円を上回る。この中には多額の税金も投入されており、無駄と思われる投薬はなくすべきだ」と話しているそうです。
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報道を読むと、コレステロールの上限は撤廃してもよい、というような印象を受けますが、本当に正しいのでしょうか。以前にも述べましたが、LDLコレステロールがメタボリックシンドロームの診断基準に入れられていないのは、LDLコレステロールはそれ自体が高いだけで動脈硬化を引き起こし虚血性心疾患や脳卒中のリスクになるからです。(そして、我々はこれを”自明”と考えていました)
本当にコレステロールを下げる必要はないのでしょうか。たとえ肥満があっても喫煙していてもLDLコレステロールが高い人に投薬の必要はないと考えていいのでしょうか。それから、日本脂質栄養学会以外の高脂血症に関連する学会ではどのように考えているのでしょうか。
さらなる報告を待ちたいと思います。
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|2013年7月14日 日曜日
2010年9月8日(水) 5歳未満の睡眠不足は肥満になる
夜遅い時間にファミリーレストランで小さな子供をつれている若い夫婦が非難され始めたのは90年代の終わりくらいからでしょうか。今ではそのような光景をみても別段驚かなくなっている人も多いでしょう。
小さな子供を寝かさなくて問題はないのか・・・。常識的にはそのように感じられますが、やはり問題はありそうです。
5歳未満の小児の夜間睡眠時間が短ければ、5年後に肥満になるリスクが1.8倍に・・・。
これは、米国ワシントン大学のJanice F. Bell氏らによる研究結果で、医学誌『Archives of Pediatrics & Adolescent Medicine』2010年9月6日号に掲載されています。(詳細は下記参照)
この研究は1997年に開始されています。研究開始時、0~13歳の子供1,930例が対象とされています。0~59か月(5歳未満)が822例、5~13歳が1,108例で、この時点で極端に痩せている症例は除外されています。
そして5年間の追跡調査がおこなわれました。その結果、調査開始当時5歳未満だった小児については、夜間に睡眠不足があれば5年後に肥満になるリスクが1.8倍にもなると算出されています。興味深いことに、昼間の睡眠時間の不足によって肥満となるリスクは上昇していないそうです。
一方、調査開始当時0~13歳だった子供は、夜間の睡眠不足とその後の肥満には有意な関連性が認められていません。しかし、興味深いことに、5年たった時点で夜間に睡眠不足があれば肥満になるリスクが上昇する可能性があるとされています。
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「寝る子は育つ」と言われるように、成長期の子供は夜間就寝時に分泌される成長ホルモンのおかげで大きく成長します。したがって、夜間の睡眠時間が不足すれば成長ホルモンの分泌が減り、充分に発育しなくなる可能性があります。
今回の研究では、夜間に睡眠不足があると肥満のリスクが上昇すると言っています。これら2つを合わせて考えると、子供が夜にしっかり寝なければ、将来「背の低い肥満児」になるかもしれない、ということになります。
やはり、子供は夜間にしっかり寝かせましょう・・・。
(谷口恭)
注:この論文のタイトルは「Shortened Nighttime Sleep Duration in Early Life and Subsequent Childhood Obesity」で、下記のURLで概要を読むことができます。
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|2013年7月14日 日曜日
2010年9月14日(火) 男性の睡眠不足は短命に・・・
男性は睡眠時間が6時間以内になれば早死にしやすい・・・
このような衝撃的な研究結果が医学誌『Sleep』2010年9月1日号で発表されました。(詳細は下記参照)
この研究は、米国ペンシルバニア州立大学のEdward Bixler氏らによっておこなわれています。ペンシルバニア中心部に在住の1,741人の男女(平均年齢はそれぞれ50歳、47歳)を対象とし、男性は14年間、女性は10年間追跡されています。
追跡期間中に男性の21%、女性の5%が死亡しています。男性の1日6時間以上眠れる「安眠グループ」では死亡率が9%だったのに対し、1日6時間未満の「不眠グループ」ではなんと半分以上の51%が死亡していたそうです。
一方、女性では「安眠グループ」と「不眠グループ」との間に有意な差は認められなかったそうです。尚、この研究では、死亡に影響を与える様々な要因となる持病、肥満度、うつ状態にないか、喫煙や飲酒の影響などを差し引いて検討されています。
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以前から睡眠不足は寿命を短くするのではないか、と言われていましたがそれを裏付けるひとつの研究となりそうです。有意な結果が男性だけでしか出ていないのは、女性の追跡期間が10年間と短いことと、女性は元々寿命が長いために研究開始時点の対象者の年齢が若すぎたことが理由かもしれません。
睡眠不足には大きく分けて2つのタイプがあります。1つは、眠りたいけれども忙しすぎて睡眠時間が確保できないタイプ、もうひとつは睡眠時間は確保できるけれど睡眠障害(不眠症)があって眠りたくても眠れないタイプです。前者は生活習慣の見直し、後者は適切な診察・治療が必要なのは言うまでもありません。
(谷口恭)
注:この論文のタイトルは、「Insomnia with Short Sleep Duration and Mortality: The Penn State Cohort」で、下記のURLで概要を読むことができます。
http://www.journalsleep.org/ViewAbstract.aspx?pid=27894
参考:睡眠関連の医療ニュース
2010年9月8日「5歳未満の睡眠不足は肥満になる」
2010年4月2日「睡眠障害の自殺リスクは28倍」
2008年6月30日「睡眠不足はダイエットの強敵!」
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|2013年7月14日 日曜日
2010年9月21日(火) 待望のHTLV-1妊婦健診、年内実現の見込み
HTLV-1(成人性T細胞白血病ウイルス)についてはこのサイトでも何度か紹介しています。国内で感染者が100万人以上もいる重要な感染症で母子感染が主要な感染ルートの1つなのに、妊婦健診で抗体検査をしている自治体が少なすぎる、ということを述べたこともあります。(詳しくは下記コラムなど参照ください)
そのHTLV-1の妊婦に対する抗体検査が全国一律で実現しそうになってきました。
9月13日、菅直人首相は、HTLV-1の全国一律の妊婦に対する抗体検査やカウンセリングを本年度中に始める考えを表明しました。自らが官邸に設置した「HTLV-1特命チーム」の初会合で語ったそうです。(報道は9月14日の共同通信など)
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国内でHIV陽性が判明した人が累計でおよそ18,000人、検査しておらず感染に気付いていない人を含めても数万人程度だと言われています。そしてHIVは妊婦健診の際、最近ではほぼ全例おこなわれています。一方、HTLV-1は国内に100万人以上感染者がいるのにもかかわらず(高齢者が多く、若年者に多いHIVとは単純には比較できませんが)、これまで妊婦健診で抗体検査を実施していた自治体はごくわずかでした。
詳しくは下記のコラムなどを参照してほしいのですが、以前この国の行政はHTLV-1感染症のことを「風土病」と捉えて対策を怠ってきました。「もっと早くに妊婦健診に取り入れるべきだった」のは自明ですが、「風土病」などと考えられていた時代から考えると随分進展しているとみるべきなのかもしれません。
(谷口恭)
参考:
医療ニュース2009年6月29日「HTLV-1が大都市で増加」
はやりの病気第47回「誤解だらけのHTLV-1感染症(前編)」
はやりの病気第48回「誤解だらけのHTLV-1感染症(後編)」
NPO法人GINAウェブサイト「少しずつ注目され始めたHTLV-1」
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|2013年7月14日 日曜日
2010年9月26日(日) 朝食を毎日摂れば幸せに?!
朝食を毎日摂る習慣がある人ほど自分を幸福と感じている・・・
これは東北大学加齢医学研究所の川島隆太教授らの調査で導き出された結果です。(報道は9月20日の読売新聞など)
この調査は、2010年7月、20~60歳代で仕事を持つ男女各500人の合計1,000人に対し、インターネットを通して、朝食の習慣や何を幸せと感じるか、仕事や生活の満足度などを質問しています。
その結果、現在の「幸福度」を100点満点で尋ねたところ、毎日朝食を摂る人(以下「毎日」)(637人)は平均67.9点で、週2日以下の人(以下「週2日以下」)(156人)の59点と大きく差が開いていることがわかりました。「毎日」は、経済面よりも健康状態を重視する傾向があり、家族と過ごしている時に幸せを感じる割合も高いという結果がでています。
総合的な生活の充実度は、「毎日」は65.4点で、「週2日以下」の53.8点を大きく上回っています。「毎日」は、趣味や余暇の満足度でも、「週2日以下」に比べ10点以上高かったそうです。
仕事についての調査では、朝食習慣による効率や勤務態度の自己評価に大きな差は認められませんでしたが、転職希望者が、「毎日」の36.4%に対し、「週2日以下」は57.1%と高くなっています。
朝食の内容では、幸福度が高い人ほど、果物や野菜をよく食べる傾向にあることがわかったそうです。
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この調査でまず特筆すべきなのは、朝食を毎日摂る人が6割以上(63.7%)を占めるということです。そして、その6割のグループに入っている人の方が、幸せを感じていて、生活面でも仕事面でも充実している、ということになります。
少し個人的な話をすると、管理された社会に抵抗感を持っていた10代の頃、私は「規則正しい生活」がすごく退屈なものに思えてなりませんでした。好きなときに目覚めて好きなときに好きなものを食べて飲む、といったデカダンス的な生活に憧れていたのです。ところがこれまでの人生を振り返ってみると、この調査が示すように毎日朝食を食べている時期が一番充実しているような気がします。
「規則正しい生活」の価値に気付いてしまった私は、それだけ年をとってしまったということかもしれないな・・・、と、この調査結果をみて感じました。
(谷口恭)
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|2013年7月14日 日曜日
2010年9月26日(日) 体重増加で乳ガンのリスク
20歳の時より体重が増えた女性ほど、閉経後に乳ガンを発症するリスクが高い・・・
これは東北大学の研究者らが調査した結果で、9月24日に開催される日本癌学会で発表されたそうです。(報道は9月24日の共同通信など)
報道によりますと、この研究では、1990年に宮城県内に住む40~64歳の女性21,183人が対象とされ、2003年までの約13年間にわたる追跡調査がおこなわれています。この期間中256人が乳ガンを発症しています。
研究では、BMI(下記注参照)を(1990年の)調査時点と20歳の時について計算し、その間の体重変化と乳ガン発症との関係が解析されています。
その結果、調査時のBMIが高いほど閉経後の乳ガン発症リスクが高く、20歳の時のBMIが高いほどリスクは低いということが判りました。つまり、20歳の時から調査時点までに体重の増加量が多ければ多いほど、それだけ閉経後に乳ガンを発症するリスクが高かったということになります。
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これまでも「肥満は乳ガンのリスク」と言われることはありましたが、今回のように大規模調査で検証された研究は(少なくとも国内では)それほど多くないのではないかと思われます。
この「20歳時の体重と現在を比べて・・・」という所見は、他の疾患でも当てはまると思われます。実際、私自身は患者さんに現在の体重を聞くときに20歳時の体重を合わせて尋ねることがしばしばあります。
昔はやせていて今は太っている・・・。このパターンが乳ガンだけでなく、生活習慣病や脳血管障害のリスクになるに違いない、ということは多くの医師が感じていることです。
(谷口恭)
注:BMIはBody Mass Indexの略で、体重(キログラム)を身長(メートル)の2乗で割って算出します。例えば、体重88キログラム、身長2メートルの人であれば、88÷2の2乗=88÷4=22となります。
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|2013年7月14日 日曜日
2010年9月26日(日) マグネシウムで糖尿病のリスクが低下
マグネシムの高摂取で糖尿病の発症リスクが半減する・・・
これは米国ノースカロライナ大学栄養学のKa He氏らの研究結果で、医学誌『Diabetes Care』2010年8月31日号に掲載されています。(詳細は下記参照)
これまでもマグネシウムの積極的な摂取が糖尿病を予防するのではないか、と言われることがありましたが、大規模調査で検証されたのは初めてではないかと思われます。
今回の研究では、研究開始時に糖尿病を発症していない18~30歳の米国人4,497人が対象とされています。マグネシウムの摂取量によって対象者を5つのグループに分け、糖尿病を発症するかどうかが調べられました。
20年間の追跡調査の結果、全対象者のなかで糖尿病を発症したのは330人でした。マグネシウムの摂取量で比べると、最も多くマグネシウムを摂取するグループは、摂取量が最も少ないグループと比べると糖尿病発症率は47%という低率であることが分かりました。つまり、マグネシウムをたくさん摂れば、少ない人に比べるとリスクが半減するということになります。
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この研究は対象者が多く、信憑性のある結果だと思われます。ただし、マグネシウムの摂取量が多ければなぜ糖尿病を起こしにくいか、というメカニズムについてはっきりとしたことが分かっているわけではありません。
この研究の興味深いことのひとつは、マグネシウムの摂取について食品だけでなくサプリメントも加えているということです。ということは、マグネシウムはサプリメントからでもOKということになるのかもしれません。
参考までに、マグネシウムを多く含む食品は、ナッツ類や魚介類、豆類などです。厚労省が発表している上限値は1日あたり300mgです。注意点としては、高摂取で下痢を引き起こすことがあります。それから、腎機能が低下している人はマグネシウムの摂り過ぎは大変危険ですから、サプリメントを摂るのであれば事前に主治医に相談すべきでしょう。
(谷口恭)
注:この論文のタイトルは、「Magnesium Intake in Relation to Systemic Inflammation, Insulin
Resistance, and the Incidence of Diabetes」で、下記のURLで概要を読むことができます。
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|2013年7月14日 日曜日
2010年10月1日(金) 受動喫煙で毎年6,800人が死亡
受動喫煙が原因で肺ガンや心臓病で死亡する人は、国内で毎年6,800人に上る・・・
9月28日、厚生労働省はこのような発表をマスコミにおこないました。(報道は同日の共同通信など)
厚労省によりますと、この数字は2005年に実施された受動喫煙状況に関する調査を元に算出されています。その調査では、タバコを吸わない成人約7,600万人のうち、女性(約4,800万人)の約30%と、男性(約2,800万人)の約6%は家庭内で受動喫煙にさらされている、とされています。職場では、女性の約20%と男性の約30%が受動喫煙の被害にあっている、とされています。
一方、受動喫煙により、肺ガンや虚血性心疾患などの病気になる危険性が1.2~1.3倍になることが国際機関や同センターの疫学調査により明らかになっており、これらの数値から受動喫煙による死者数が推計されています。
その結果、肺ガンで死亡した女性(年間約18,000人)の約8%と男性(年間約49,000人)の約1%、虚血性心疾患の女性(年間34,000人)の約9%と男性(年間約42,000人)の約4%の合計約6,800人は、「受動喫煙が原因」と判断されました。女性が約4,600人、男性が約2,200人で、このうち職場での受動喫煙は男女とも約1,800人と推計されています。
この発表に際し、主任研究者は、「年間の労災認定死が約千例であることを考えると、甚大な被害だ。行政と事業者は、労働者の健康を守る責任があることを認識すべきだ」と話しているそうです。
****************
過去の調査のデータを引っ張ってきて、比較的単純に推計した数値の発表です。本日(2010年10月1日)からタバコが大幅に値上げされますが、この発表はそのタイミングを狙ったのではないかと感じられます。(もちろん悪いことではないのですが・・・)
(谷口恭)
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