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2013年7月27日 土曜日
2008年10月17日(金) 心の健康対策、中小企業は不充分
従業員の心の健康対策に取り組む企業は33%で、5年前より10ポイント増加。1,000人以上の大企業では90%以上にのぼるが、中小企業では対策に遅れ・・・
これは、10月10日に発表された厚生労働省の調査結果です。(報道は10月14日の共同通信)
これは同省が実施している5年に一度の調査で、昨年(2007年)末に、14,000社の企業と、18,000人の労働者が対象となっています。
健康対策を実施している企業を規模別にみてみると、5,000人以上で100%、1,000人以上5,000人未満で95%と高い数字を示していますが、50人以上100人未満で45%、30人以上50人未満で36%、10人以上30人未満は29%と、規模が小さくなるほど低い結果となっています。
取り組み内容については、「相談対応の体制整備」59%、「労働者への教育研修・情報提供」49%、「管理監督者(管理職)への教育研修・情報提供」34%など(複数回答)となっています。
また、「仕事に関して強い不安、悩み、ストレスがある」と答えた労働者は58%と前回より微減しています。前回との比較で増加が目立った項目(複数回答)は、「職場の人間関係」38%(3ポイント増)、「仕事の質」34%(4ポイント増)、「昇進、昇給」21%(7ポイント増)などとなっています。
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日本の労働者が訴える「心の不調」の最たる理由は「長時間労働」と言われています。今回の結果を受けて、厚労省も「心の健康対策とともに、健康を害する原因となる長時間労働の削減を企業に呼び掛けたい」としています。
ただ、そう言っている厚労省の役人も長時間労働をしているでしょうし、これを書いている私も週の労働時間は80時間を越えています・・・
(谷口恭)
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|2013年7月27日 土曜日
2008年10月18日(土) アフリカで新たな感染症
南アフリカとザンビアで、未知のウイルスが引き起こす新たな感染症が発生し、すでに3人が死亡していることがWHO(世界保健期間)の調査で明らかとなりました。(報道は10月17日の読売新聞)
WHOによりますと、病原体はウイルスで、出血熱などを引き起こすアレナウイルスの仲間の可能性が高いようです。
これまでの調査で分かっていることは、まず、ザンビアのサファリツアー従業員が9月中旬に死亡、その死亡した従業員の看護にあたった南アフリカの医療従事者2人が死亡、さらに1人が入院しています。
症状は、初期に発熱や頭痛、下痢などが見られ、悪化すると数日後に肝機能異常を引き起こして死亡、という経過をたどるようです。
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1人目の症例が9月に発覚したばかりで、症状は発熱・頭痛・下痢・肝機能異常など、感染症ではありがちなものばかりなのにもかかわらず、病原体の特定がほぼ完了しつつあるということに驚かされます。
しかしながら、おそらく有効な治療法が確立されるまでにはかなりの期間が必要になるものと思われます。それまでにこのウイルス感染症が急速に拡がらないことを願うばかりです・・・
(谷口恭)
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|2013年7月27日 土曜日
2008年10月24日(金) 「つけ爪」で化膿、被害相談が急増
国民生活センターは10月16日、プラスチック製の人工爪を専用の接着剤などで爪の上にはり付ける「つけ爪」に関する被害相談が増えていることを発表しました。(報道は10月20日の読売新聞)
同センターによりますと、つけ爪の相談は1998年度以降、2008年10月1日までに計38件寄せられています。特に、ネイルサロンや自分でつけられる専用材が増えた2006年度以降に急増しているそうです。
相談内容は、「ネイルサロンでつけ爪をした2日後から指が腫れて化膿(かのう)した」、「雑貨店で買ったつけ爪用の接着剤1滴を足にたらして指先大のやけどを負った」、などとのことです。爪と人工爪の間に黒いカビが発生したという相談もあったようです。
同センターの危害情報室は、ネイルサロンの開業や施術に規制がないことや、接着剤の成分や注意表示が義務づけられていないことがトラブルの背景にあると指摘しています。消費者にも、「使用方法を確認し、施術後の衛生管理もしっかり行ってほしい」と呼びかけています。
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これは、日々の診療のなかでもよく遭遇します。ネイル(つけ爪)をつけっぱなしにしていると爪とネイルの間に細菌や真菌(カビ)が繁殖しやすくなります。
一番多いのが、緑膿菌による感染で、爪が緑っぽくなるのが特徴です。(これを「グリーンネイル」と呼びます)
この場合、自分の判断で抗生物質を塗ったり飲んだりしても治らないことがほとんどです。グリーンネイルが生じた場合は、抗真菌薬の内服が必要になります。(緑膿菌が繁殖しているのは事実ですが、おそらくその繁殖に真菌(カビ)が関与しているからでしょう)
爪の病気はときに長引きます。「おかしい」と思えばすぐに医療機関を受診するようにしましょう。
(谷口恭)
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|2013年7月27日 土曜日
2008年10月27日(月) 米国、子供のアレルギー増加
米国CDC(疾病管理局)は、10月22日、昨年(2007年)、国内で約300万人の子供が食物アレルギーを発症したことを発表しました。(報道は10月23日の共同通信)
CDCによりますと、発症者は10年前に比べると18%も増加していることになります。
この調査は、全米の約1万人の子供を対象とした調査がもとになっています。2007年は18歳未満の3.9%に相当する約300万人が何らかの食物アレルギーを発症していますが、10年前の1997年は3.3%に当たる約230万人でした。
食物アレルギーの原因は、牛乳、卵、ナッツ類、魚類、大豆、小麦で全体の9割を占めています。
年齢別にみてみると、5歳未満では4.7%ですが、5歳以上では3.7%と減少しており、成長に伴って減っていく傾向にあるようです。
また、注目すべきなのは、食物アレルギーを発症した子供は、そうでない子供に比べて、アトピー性皮膚炎やぜんそくの発症が2~4倍多いという結果です。
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米国と同様、日本でもアレルギー疾患が増加しており、子供では特に顕著です。原因として、環境や食生活の変化などが言われることもありますが、現時点では、はっきりと「このようにすればアレルギーを防げます」という対策はありません。今後の研究に期待したいところです。
(谷口恭)
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|2013年7月27日 土曜日
2008年10月27日(月) 喫煙率が13年連続で過去最低更新
JT(日本たばこ産業)が10月23日に同社の喫煙率調査の結果を発表しました。成人の喫煙者は、2008年5月時点で、前年より0.3%低い25.7%となり、13年連続で過去最低を更新していることになります。
この調査は、全国の成年男女3万2千人を対象に実施されています。有効回答率は63%で、男性の喫煙者は前年より0.7ポイント低い39.5%で17年連続の低下、女性は0.2ポイント増の12.9%で2年連続上昇しています。
JTは、喫煙率低下の原因として、「高齢化による健康への意識の高まりと、喫煙規制の強化などが要因」とコメントしています。
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喫煙率が13年連続で低下しているといっても、男性だけでみれば全体の約40%が今でも喫煙しているわけですし、女性の場合は2年連続の上昇です。
「13年連続過去最低更新」と言われても全面的には喜べないようです・・・
私も元喫煙者ですし、今でも吸いたくなることがあって、喫煙者の気持ちがわかるつもりですが、やはりたばこをやめたい人を応援したいと思います。
(谷口恭)
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|2013年7月27日 土曜日
2008年11月6日(木) 早食いと満腹で肥満のリスクが3倍に!
早食いで、かつ満腹になるまで食べる食習慣のある人は、過体重(肥満)になる率がそうでない人に比べて3倍も高い・・・
これは、『British Medical Journal』という医学誌の10月22日号(オンライン版)に掲載された日本の研究です。(報道は10月22日のHealth Day News)
今回の研究では、年齢30~69歳の男性1,122人、女性2,165人が食習慣に関する質問票に回答し、男性の50.9%、女性の58.4%は「満腹になるまで食べる」と答え、男性の45.6%、女性の36%が「早食いである」と答えています。
早食いで満腹になるまで食べる人は、BMI(ボディ・マス・インデックス)(注)と総エネルギー摂取量が高く、満腹になるまで食べず早食いでもない人に比べて、過体重である確率が3倍高いという結果がでています。
研究を行った大阪大学予防環境医学教授の磯博康氏らは「早食いと満腹になるまで食べることは、”過体重に対して超相加的効果(supra-additive effect=相乗効果)”を持つことが示された」と結論付けています。
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感覚的にこのことは理解しやすいと思われます。肥満を避けたければ、まず、「早食い」、「満腹まで食べる」のどちらかを止めるべき、ということになります。
注:BMIは、体重(キログラム)を身長(メートル)の2乗で割った数字です。例えば、体重88キログラム、身長2メートルの人なら、88÷2の2乗=88÷4=22ということになります。最も健康的なのは、BMI22~23くらいだと言われています。
(谷口恭)
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|2013年7月27日 土曜日
2008年11月6日(木) タイでマラリアが急増
太融寺町谷口医院には、海外から帰国したばかり、なかでもタイから帰国したばかりという患者さんがなぜか少なくありません。
そのタイで今、マラリアが流行っています。
11月4日のThe Nation(タイの英字新聞)によりますと、今年の1月から9月までにタイ全国でマラリアの診断・治療を受けた人は4万人以上になります。
4万人を詳しくみてみると、20,506人はタイ人、20,803人は近隣諸国からの出稼ぎ外国人(migrant workers)です。
タイ疾病予防局(DDC)局長のソムチャイ医師は、「チャンタブリ、ターク、カンチャナブリの3県で出稼ぎ外国人のマラリア患者が増加傾向にある。来年は感染者がさらに増加することが予想される」とコメントしています。
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参考までに、県別のデータでは、ターク県(北部)が4,471人で最多、ヤラー県(南部)3,971人、ナラティワート県(南部)1,284人と続きます。これら3県は日本人観光客があまり行かないところだと思いますが、以前からバンコクでもマラリアはコンスタントに報告されていることをお忘れなく・・・。
(谷口恭)
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|2013年7月27日 土曜日
2008年11月13日(木) 大阪、今年のHIV感染すでに200人超え
大阪府によりますと、今年(2008年)のHIV感染者の新規届出が11月2日時点ですでに203人に上っており、過去最多だった昨年(2007年)の188人を超えていることがわかりました。(報道は11月12日の日経新聞夕刊)
また、大阪府は献血でのHIVの陽性が判明する率が全国で最悪となっています。今年1月から9月までの献血者10万人当たりのHIV陽性者は6.911人で、全国平均(2.275人)の3倍以上です。
大阪府立公衆衛生研究所の川畑拓也主任研究員は、「リスクの高い性交渉による感染が若い世代で広がっている恐れがある」とコメントしています。
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献血で判明する率が多いことからも明らかなように、最近は、自身が感染していることにまったく気づいていない症例が増えてきているように思われます。発熱や皮疹でクリニックを受診して、それがHIV感染だったというケースもあまり珍しくなくなってきています。
”思い当たることのある”人は一度検査を検討してみましょう。
(谷口恭)
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|2013年7月27日 土曜日
2008年11月18日(火) 米国、米喫煙率が2割を切る
CDC(米国疾病管理局)は11月13日、米国内の喫煙率が昨年(2007年)、初めて20%を下回ったことを発表しました。(報道は11月14日の読売新聞)
CDCのこの調査は、米国の成人約2万人の面接調査から分析をおこない、全米の喫煙者を4,340万人(19.8%)と推計しています。
男女別の喫煙率は、男性が22.0%、女性が17.4%となっています。高齢者より若年者の喫煙率が高く、人種差も認められますが、全体的には高学歴の人ほど喫煙率が低い傾向にあります。
CDCの担当者は、ロイター通信に対して「たばこ業界は、誤解されそうな情報を流すが、教養のある人ほど惑わされない」とコメントしているそうです。
この喫煙に関する調査は、1960年代に始まり、この40年間は継続して減少傾向にあります。禁煙が進んだ理由として、CDCは、禁煙治療の普及、公共の場での禁煙、増税によるたばこの値上がり、などを挙げていますが、10年前に比べると減少のペースは鈍っているようです。
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JT(日本たばこ産業)による最新の日本人の喫煙率は25.7%(男性39.5%、女性12.9%)ですから、日本人の喫煙者は米国と比較して男性に多いということになります。
参考:2008年10月27日「喫煙率が13年連続で過去最低更新」
(谷口恭)
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|2013年7月27日 土曜日
2008年11月22日(土) ヒト顆粒球エーリキア症が中国で発生
エーリキア症という感染症をご存知でしょうか。現時点では日本では報告がありませんが、リケッチアの一種であるエーリキアによる感染症で、重症化すると死亡することもあります。そのエーリキア症が中国で10人に発症し、そのうちひとりは死亡しています。(報道は11月20日の共同通信)
報道によりますと、ダニにかまれたとみられる50代の女性が、かまれてから12日後に発熱し、鼻と口から大量に出血し、その5日後に死亡しています。さらにその2週間後、女性を看護していた医療関係者4人と身の回りの世話をしていた家族5人の合計9人が発症し、エーリキア症(正確にはヒト顆粒球エーリキア症)と診断されました。
この9人はダニにかまれたわけではなく、死亡した女性の血液や体液に手袋をせずに接触したことにより感染したと考えられています。9人中7人は、死亡した女性の気道分泌物(痰など)にも接触した可能性があるそうです。
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エーリキアはリケッチアの一種で、エーリキア症は3種類の異なるエーリキアによって、それぞれ、ヒト顆粒球エーリキア症、ヒト単球エーリキア症、腺熱エーリキア症と分類されます。
感染しても発見が早ければ適切な抗生物質を使用することによって治癒する病気ですが、世界的にみても感染例は非常に少なく、「ダニにかまれて発熱、倦怠感」だけでこの病気を疑える医療従事者はほとんどいないでしょう。(と言うより、真っ先に疑うべき感染症ではありません)
恐るべしダニ・・・、です。
参考:
医療ニュース 2008年8月7日「宮崎の女性がダニに刺されて死亡」
はやりの病気 第60回 虫刺されにご用心
(谷口恭)
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