2013年10月29日 火曜日

2013年10月29日 ダイエット用健康食品で死亡例

 およそ1ヶ月前、ダイエット用健康食品「デキサプリン」で副作用が相次ぎ、中には心停止にいたった例もあるということを紹介しましたが(下記医療ニュース参照)、新たに別の健康食品で重篤な副作用が報告されています。

 厚生労働省は2013年10月9日「健康食品(OxyElite Pro)に関する注意喚起について」というタイトルの注意喚起(注1)を発表しました。これは前日の10月8日、米国CDC(疾病予防管理センター)と米国FDA(食品医薬品局)が、「OxyElite Pro」と言う名のダイエット用健康食品で死亡例を含む急性肝炎の被害が多数報告されたことを発表(注2)したことを受けてのものです。

 これら当局の発表によりますと、「OxyElite Pro」はダイエットと筋肉増強を目的につくられた健康食品で、重篤な肝障害をきたす例が相次いでいるようです。発表の時点で合計29名が薬剤性急性肝炎を発症し、2名は肝移植が必要になり、そのうち1名が死亡にいたったそうです。
 
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 OxyElite Proをインターネットで調べてみると、次の6種類の成分から構成されていることがわかりました。

①Bauhinia Purpurea L. (Leaf And Pod) Extract
②Bacopa (Leaf) (Bacopa Monnieri) Extract
③1,3-Dimethylamylamine HCL
④Cirsium Oligophyllum (Plant) Extract
⑤Yohimbe (Pausinystalia Johimbe) Bark Extract
⑥Caffeine 

 ①②は聞いたことのないものですが、天然の葉から抽出したもののようで、説明文(注3)によると、甲状腺ホルモンの1つであるT3を増大させる効果があるそうです。③⑤⑥は交感神経を活性化させる作用があります。④についてはよくわかりませんが、単純に考えて、この健康食品を摂取すると、代謝がかなり活発となり、結果として体重減少が起こるはずです。しかし、このようなものが安全であるはずがなく、血圧上昇、動悸、発汗、イライラなどの副作用が起こることは容易に想像できます。

 今回問題となったのは肝機能障害です。どの成分が肝機能障害をおこしたのかはCDCやFDAの報告をみてもよくわかりませんが、死亡例を出すほどのものですからこのようなものは絶対に摂取してはいけません。日本でも個人輸入で購入できるようですから一度でも飲んだことがあるという人は、たとえ症状がなくても医療機関に相談すべきでしょう。

 また、最近日本でも別のダイエット用健康食品で被害の報告がありました。共同通信2013年10月10日号(オンライン版)によりますと、千葉県在住の2人の女性がそれぞれ「ヴィクトリアスレンダー」、「GLAMOROUS LINE」という名前の健康食品を摂取し頭痛などの副作用が生じたそうです。1人は回復したものの、もう1人は現在も通院中だそうです。

 千葉県はすでに、薬事法に基づき販売業者らを所管する名古屋市、横浜市、大阪市に通報し、現在はサイト上からこれら健康食品は削除されているそうです。

  サプリメントや健康食品はどのようなものであれ、かかりつけ医を持っている人は摂取前に相談すべきでしょう。

谷口恭

注1:厚労省の注意喚起は下記URLで閲覧できます。
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000025767.html

注2:CDCのレポートのタイトルは「Acute Hepatitis and Liver Failure Following the Use of a Dietary Supplement Intended for Weight Loss or Muscle Building」で、下記のURLで読むことができます。
http://emergency.cdc.gov/HAN/han00356.asp 

FDAのレポートのタイトルは「OxyElite Pro: Health Advisory – Acute Hepatitis Illness Cases Linked To Product Use」で、下記のURLで読むことができます。
http://www.fda.gov/Safety/Medwatch/SafetyInformation/SafetyAlertsforHumanMedicalProducts/ucm370857.htm

注3:下記のURLがOxyElite Proについて比較的説明が多いようです。
http://www.oxyelite-pro.com/oxyelite-pro-ingredients

参考:医療ニュース
2013年9月30日「デキサプリンを飲まないで!」
2007年3月23日「ダイエット用食品から未承認医薬品検出」

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2013年10月28日 月曜日

2013年10月28日 超低用量ピルでの2人目の死亡例

  以前、超低用量ピル(ヤーズ)の副作用で20代の女性が死亡したという例をお伝えしました。(下記医療ニュース参照) 主治医がヤーズを処方してからわずか13日後、この女性は頭蓋内静脈洞血栓症という、頭の中の血管が血の塊で詰まってしまう病態となり死亡しました。

 死亡したこの20代の女性は、肥満や喫煙など血栓症を起こす要因ほとんどなく、ヤーズを含めてピルのリスクは小さかったと言えます。頭蓋内静脈洞血栓症がピル内服で起こるのは内服開始後数週間以内とされてはいますが、血栓症のリスクのほとんどない20代女性が(中用量ピルでなく)超低用量ピル服用開始のわずか13日後に死亡したというのは注目に値します。

 そして、1人目の死亡例が報告された4ヶ月後の2013年10月、医薬品医療機器総合機構(PMDA)がヤーズによる国内2人目の死亡を発表しました。

 この女性は10代後半で、ヤーズの内服を開始しておよそ1年半後(526日目)に肺動脈塞栓症で死亡しています。女性が外出して下宿に帰宅した後に連絡が途絶え、その3日後に死亡しているところを発見されています。解剖の結果、肺動脈に血栓(血の塊)がみつかったそうです。

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 このような事件を聞くとまず気になるのが血栓症を起こすリスクがなかったのかということですが、バイエル薬品株式会社の発表(注1)によると、喫煙はなく、肥満もなく(BMIは22.7)、血が固まりやすくなるような病気をした人が家族にいるわけでもありません。

 これまでは死に至るような重篤な血栓症の副作用は、ピルを飲み出して数週間以内に起こることが多いとされていました。しかしこのケースでは飲み出して1年半が経過してからの発症です。しかも血栓症のリスクがほとんどないのにもかかわらず、です。

 今後ピルを飲むすべての人は、血栓症の予兆(ふくらはぎの痛みや赤み、胸の痛み、息苦しさ、頭痛など)があれば直ちに主治医に相談すべきでしょう。もちろん禁煙をおこない、肥満があれば減量を試みるべきなのは言うまでもありません。

谷口恭

注1(2019年10月27日):バイエル薬品株式会社は事故があった直後に詳細をウェブサイトで報告していましたが、現在そのページは削除されています。下記は医療サイト「m3」の記事です。
https://www.m3.com/clinical/news/182534

参考:
医療ニュース2013年8月30日「超低用量ピルでの死亡例」
はやりの病気第87回(2010年11月)「超低用量ピルの登場」

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2013年10月21日 月曜日

第129回(2013年10月) 危険な「座りっぱなし」 

 前回は、「同じ時間に起きて同じ時間に寝ること」が生活習慣病にはもちろん、片頭痛やうつ病の改善にもつながる、という話をしました。

 今回は、もう一度生活習慣病に話を戻したいと思います。前回この「同じ時間に起きて同じ時間に寝る」という習慣を紹介したのは、医学誌『Stroke』に掲載された脳卒中の予防のための「7つの生活習慣」に付け足したかったからです。

 私はこのサイトの「マンスリーレポート」2013年7月号「感染症と感染症以外のすべての病気の違いとは?」で、「感染症以外のすべての病気は自己内部に原因があり・・・」、と述べました。さらにこれは、「感染症以外のすべての病気はかなりの部分で予防することが可能である」、と言うこともできます。そして、次のステップとして、「ではどのように予防すればいいのか」ということを考えていけばいいわけですが、その答えが前回紹介した「7つの生活習慣」と、私が提唱した「同じ時間に起きて同じ時間に寝る」と言いたいわけです。

 今回は、この私の考えをもう少し詳しく述べたいと思います。

 感染症以外の病気といっても実に様々なものがあり、分類するのも大変ですが、ざっと眺めてみると、生活習慣病、悪性腫瘍、精神疾患、アレルギー疾患、自己免疫疾患、先天性疾患、遺伝的な疾患、くらいになると思います。このうち生死にかかわる病気に絞ってみてみると、ほとんどが生活習慣病と悪性腫瘍ということになります。悪性腫瘍のなかには感染症が原因であるもの(例えばB型肝炎ウイルスによる肝臓ガン)や、遺伝的な要因の強いもの(家族性大腸ポリポーシスなど)もありますが、悪性腫瘍の大半は生活習慣が関与しています。

 ということは、例外があることは認めますが、頻度で言えば、生死にかかわるほとんどの病気は生活習慣に関連がある、ということになります。ここは重要なところなので、しっかり確認しておきたいと思います。式にすると、

 生死にかかわる疾患 = ①感染症 + ②生活習慣に関連する疾患(脳卒中、心疾患、悪性腫瘍など) + ③一部の遺伝的疾患 + ④一部のアレルギー疾患・自己免疫疾患 + ⑤外傷・事故 + ⑥自殺・他殺 + ⑦その他
 
 となります。①の感染症は発展途上国であれば死因のトップになります。③④⑤⑥⑦は生活習慣の改善ではどうしようもないものもありますが、これらをすべて合計しても②での死亡者とは比較にならないほど少数です。

 ということは、健康に長生きしようと思えば、感染症に気をつけて(正しい知識をもつ、ワクチン、予防薬など)、生活習慣の改善をおこなうのが賢明であることがはっきりとしてきます。

 では、生活習慣の改善に何をすればいいか、ということになるわけですが、『Stroke』の7つの生活習慣に、「同じ時間に起きて・・・」を加えるべき、というのが前回述べたことです。

 今回はあと2つ、生活習慣に関連する疾患の予防になる対策について述べたいと思います。7つでも覚えるのが大変なのに増やせばいいってもんじゃないだろ、という声が聞こえてきそうですが、後で覚え方も言いますのでもう少しおつきあいください。

 1つは「ストレス」です。ストレスを取り除くのは大変ですが、ストレスがほとんどの疾患の原因もしくは悪化因子になっていることは多くの人が実感していることでしょう。ストレスがあると、それだけで規則的な生活がしにくくなります。眠れない、朝起きられないなどという睡眠障害にもつながり、こうなれば「同じ時間に起きて同じ時間に寝る」というのが困難になります。ストレスからジャンクフードを食べ過ぎてしまうこともあるでしょう。やめていたタバコを再び吸い出した・・・、という人もいるに違いありません。ストレスを減らすことはときに簡単ではありませんが、それでもストレス軽減のために何ができるかは常に考えていくべきです。

 生活習慣に関連する疾患の予防に必要なもうひとつは「座りっぱなしを避ける」ということです。過去にこのサイトで何度かお伝えしましたが(下記医療ニュース参照)、現在座りっぱなしのリスクは世界中で大変注目されています。長時間テレビの前に座ってお菓子でも食べながらダラダラしている様子が不健康なことは誰にでもわかりますが、現在議論されている座りっぱなしというのはそういうレベルのものではありません。例えば、定期的な運動をしていようが、適正な体重を維持し健康的な食事をしていようが、座りっぱなし、ただそれだけで生活習慣病のリスクが上昇する、というわけです。

 もう一度言いますが、定期的な運動をしていたとしても、長時間座りっぱなしの生活をすれば、運動のベネフィット(利益)が台無しになることを最近の研究は示しているのです。これではまるで「喫煙」のようです。いくらいい食生活をしていようが、定期的に運動をしていようが、タバコを吸っていれば生活習慣病のリスクが上昇するということは周知されていると思いますが、そのタバコと同じように「座りっぱなし」がリスクになるのです。実際、アメリカでは「座りっぱなしの健康被害は喫煙に匹敵する」と言われることが増えてきています。

 これまでの予防医学の歴史のなかで「座りっぱなし」の弊害はそれほど注目されていませんでしたし、現在でも日本ではそれほど関心が高いとはいえないでしょう。しかし近いうちにこのことは大きく注目されるようになりマスコミなどでも報道されるようになってくると私はみています。

 さて、ここで生活習慣病の予防も含めて、健康を維持するために何をすればいいか、ということをまとめてみたいと思います。まずは前回紹介した医学誌『Stroke』に掲載された7つの生活習慣、すなわち、①血圧、②脂質(コレステロール)、③血糖、④BMI(体重÷身長の2乗)、⑤運動、⑥食事、⑦禁煙、があります。これに⑧「同じ時間に起きて同じ時間に寝る」を加えました。そして、⑨ストレスコントロール、さらに⑩座りっぱなしを避ける、の2つを加えました。

 これでは多すぎて覚えにくいので整理してみたいと思います。これらを分類すると(やや恣意的な分類ではありますが)、(1)楽しくできること、(2)とにかくやめなければならないこと、(3)検査データ、の3つに分けられます。

 具体的には、(1)楽しくできること、には、⑤運動(運動は苦痛ではなく誰でも楽しんでおこなうことができますし、そうすべきです)、⑥食事(食事は制限するだけでなく栄養のあるものを楽しんで食べるべきです)、⑧同じ時間に起きて同じ時間に寝る(早起きが習慣になるといいことばかりです。良質な睡眠の確保にもつながります)、があります。(2)とにかくやめなければならないこと、には、⑦禁煙、⑨ストレス、⑩座りっぱなし、があります。血圧、コレステロール、体重(BMI)、血糖の4つは、検査(測定)で分かるものです。

 これらを「3つのEnjoy、3つのStop、4つのデータに注意して」とテンポよく口ずさむと覚えやすくなります。まとめると次のようになります。

3つのEnjoy
・Exercise(運動は楽しくおこないましょう)
・Eating(食事は身体にいいものを楽しんで食べましょう)
・Early-morning waking up(毎朝早起きして1日を充実したものにし、夜はぐっすりと眠りましょう)

3つのStop
・Smoking(タバコはすぐにやめましょう)
・Stress(ストレスは上手にコントロールしましょう)
・Sitting too much(喫煙に匹敵するほど危険です)

4つのデータ
・血圧
・コレステロール
・体重(BMI)
・血糖

 健康で長生きするために、みなさんも是非実践してみてください。

参考:医療ニュース
2013年4月2日「座りっぱなしの生活がガンや糖尿病のリスク」
2010年7月30日 「座っている時間が長い人は短命?」

マンスリーレポート(2013年7月号)「感染症と感染症以外のすべての病気の違い

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2013年10月21日 月曜日

第122回 飛行機の中の病気 2013/10/21

  数年前の12月31日午後、東南アジアに向かう機内で2本目のビールをあけた私は、機体の小さな揺れを心地よく感じまどろんでいました。読んでいた英字新聞が頭に入ってこなくなり前の座席に押し込んで腕を組んで少し本格的に眠ろうと思ったときにその機内アナウンスが聞こえてきました。

 乗客の中に医師、看護師、または他の医療従事者はいませんか? お客様の調子が悪く機内の一番後ろのスペースにいます・・・。

 いくらお酒を飲んでいても、いくら眠たくても、それが日本語か英語なら医師の聴覚を司る細胞は敏感に反応します。直ちに目が覚めて腰を上げかけた私は、しかしここでたじろぎました。そしておそらくわずか1分程度の短い時間にいくつかのシーンが脳裏をよぎりました。

 患者は心臓に持病のある高齢者。診察の結果、緊急性はないと判断しそのままフライトを継続。しかし着陸前に発作が起こり着陸時に患者は死亡。最初は、結果が報われなかったとはいえ、全力で診察し治療を検討した医師を非難する声は上がらなかったが、数日後、その医師が飲酒して正常な判断ができていなかった可能性があることが発覚し・・・。

 あるいは・・・。患者は軽症だったのにもかかわらず医師が過剰な診断をし、飛行機は緊急着陸へ。患者は元気で、予定通りの旅行ができなかった乗客からは大変なブーイング。この日は12月31日で、なかには年に一度の家族との再会を楽しみにしていたという乗客も。そして診断した医師が飲酒していたことが判明し・・・。

 このようなシーンが次々と浮かび心臓の鼓動が早くなっています。そのとき2回目の機内アナウンス、「乗客の中に医師、看護師、・・・」が流れてきました。もう一度考えよう・・・、しかし、心の奥から聞こえてきたその声は無視され、私の身体はすっと立ち上がっていました。そして後先のことは考えずに小走りで機内後方に向かいました。

 奥のスペースで寝かされていたのは10代半ばの白人女子。母親と思われる中年の白人女性が付き添っていました。フライトアテンダントとその母親から情報収集すると、搭乗時には問題なかったが食事をとってしばらくしてめまいと嘔気が出現、気分不良がおさまらないためにフライトアテンダントを呼んだ、とのことでした。母親によれば過去にも何度か同じ状態になったことがあるとのことでした。

 私が呼びかけるとその女子は反応しきちんと受け答えができます。呼吸・脈は正常であり、学校は好きか、とかペットは飼っているか、とかたわいもない世間話をしばらくしていると少しずつ笑顔が戻ってきました。血圧が正常であることを確かめた私は、母親とフライトアテンダントに「大丈夫です。気分不良が続くならもう少しこのまま寝ていてもらってもいいですが、着陸する頃には元気になっていると思います」と答え、席に戻りました。

 席に戻ると一気に疲労感が出てきましたが、これは一仕事終えた充実感ではなく、「軽症でよかった~」という安堵感からくるものでした。

 さて、私が機内で診察した(というほどのものではありませんが)この女子は、普段は健康だけれどもときどき乗り物酔いを起こすとのことでした。当たり前ですが、飛行機で途中下車はできませんし、乱気流に入ると大きな揺れを避けることもできません。水は用意してくれますが薬はごく一部のものを除きあらかじめ自分で準備しなければなりません。

 飛行機の中は危険な環境で病気を発症しやすい・・・、などと言うと航空会社や旅行会社からクレームが来そうですし、機内は食事や飲み物を用意してくれて映画や音楽も楽しめるのだから極楽じゃないか・・、という声もあるでしょう。そういう私にとっても、先に紹介した<恐怖の呼び出し>がなければ、ゆっくり本を読めて飲み物をサービスしてくれる機内は大変快適な時空間です。

 しかしながら、機内というのは場合によっては大変危険な時空間となります。なぜ危険かというと、揺れるとかテロの標的にされるとか、そういった問題は除くとしても、飛行機に乗る限り絶対に避けられない環境の変化が2つあるからです。ひとつは気圧が低いということ、もうひとつは空気が乾いている、ということです。

 機内の気圧は0.8気圧程度しかありません。それがどうしたの?と感じる人もいるでしょうが、気圧の変化というのは一部の病気、特に呼吸器や心血管系の病気を悪化させます。また、乾燥もときに問題になります。一般に機内の湿度は5~15%程度に調節されており、これはサハラ砂漠よりも乾燥していると言われることもあります。

 乾燥のせいで皮膚がかゆくなる、という程度であればいいのですが、例えば、気管支喘息があれば、普段は安定しているとしても機内で悪化することがあります。飛行機に長時間乗ると咳が出るとか、喉がイガイガする、という人がときどきいますが、これも機内の乾燥に原因がある可能性があります。

 気圧と湿度が低いことで悪化する可能性のある疾患は多数あり、喘息の他、COPD(酸素ボンベは持ち込めませんから必要な場合はあらかじめ航空会社に酸素の用意をお願いしなければなりません)、気胸(過去に気胸を起こしたことがあれば搭乗できないこともあります)、狭心症や心筋梗塞、間質性肺炎、などですが、普通の風邪でも咳が悪化することがあり注意が必要です。

 特に喘息については、日頃落ち着いていたとしても、突然機内で発作を起こすことがありますから、発作時用の吸入薬と、場合によっては内服ステロイドを持参してもらうこともあります。機内で喘息発作が起これば本人も大変ですが、周囲の人も慌てることになりますから充分な準備をしておかなければなりません。

 普通の風邪で症状が軽ければ搭乗してもかまいませんが、インフルエンザの場合は確定がついておらず疑いがあるという程度でも搭乗は見合わせることを検討すべきです。日頃健康な方であれば機内で急変という可能性はほとんどありませんが、他人へ感染させるというリスクがあります。もしも新型インフルエンザに罹患しており、それを機内で蔓延させたとなると責任を追及される可能性もなくはありません。

 注意すべき感染症はインフルエンザだけではありません。SARSやMERS(中東呼吸器症候群)、あるいは結核などは確定診断がついていなくても、感染の可能性があることを知っていながら搭乗したとなると大変な問題になります。また、風疹や麻疹(はしか)も同様です。もしも風疹にかかっていて、機内に妊婦さんが乗っていたとすると、国際問題にもなりかねません。

 機内の病気で忘れてはならないのがエコノミークラス症候群(ロングフライト血栓症、旅行者血栓症)です。この疾患については過去に取り上げたときに述べましたが(下記「はやりの病気」参照)、エコノミークラスかどうかに関係なく同じ姿勢をとり続けることが発症のリスクになります。長くてもせいぜい2時間程度の国内線であればそれほどリスクは高くありませんが、4時間を超える国際線では注意が必要です。

 特に、高齢者、肥満がある人、女性、手術の後、喫煙、薬を用いている人などは要注意です。薬で特に忘れてはいけないのがピルや更年期障害に用いるホルモン剤です。低用量ピルを飲んでいる人のなかには薬という意識に乏しい人がいますし、貼り薬のホルモン剤を使っている人も危険性を理解していないことがあります。特に低用量ピルを飲んでいる女性で喫煙している人は要注意です。このような場合、まずはできるだけタバコをやめることが必要で、機内の中では、通路側の席をとる、こまめにトイレに行く、水分をとる、お酒を飲まない、足を組まずに定期的に足を動かす、などの対策が必要になります。

 太融寺町谷口医院の患者さんのなかにも低用量ピルを服用している患者さんは少なくなく、なかにはタバコを完全に止められてないこともあり、飛行機に乗ることがあるか何度も聞くことがあります。きっと一部の患者さんにはしつこいと思われていることでしょう・・。しかしこれは大変重要なことで、もしも機内で血栓症を起こして呼吸困難にでもなれば大変なことになります。特に、個人輸入でピルを買っているという人のなかに、このような知識がないことが多く驚かされることがあります。

 今何らかの病気がある人、過去に呼吸器や心血管系の病気をしたことがある人、現在何らかの薬(個人輸入のピルなども含めて)を飲んでいる人などで、飛行機に乗る機会のある人はかかりつけ医に相談するようにしましょう。

参考:
トップページ:旅行医学・英文診断書など → 機内での注意
はやりの病気第92回(2011年4月)「エコノミークラス症候群を防ぐには」

 

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2013年10月11日 金曜日

2013年10月号 安易に理系を選択することなかれ(前編)

  最近は少し減ってきていますが、私は過去に受験関連の書籍を上梓していることもあって、受験生やその親御さん、あるいは、今は社会人だけど医学部受験を考えているという人たちからの相談メールがしばしば私の元に届きます。

 私は、相談してくる人が本当に医学を学びたいのであれば、原則として現在の偏差値などには関係なく受験をすすめるようにしています。本当に医学を学びたいのであれば、挑戦せずに諦めてしまう苦痛と、夢に向かって努力するときの苦痛を天秤にかけたとき、後者の苦痛など取るに足らないものだからです。

 しかし、これは「本当に医学を学びたいのであれば」という前提があってのことです。私に(医学部)受験の相談をしてくる人のなかにも、「この人、本当に学問をやりたいのかな・・・」と疑問に感じるような人もいます。

 はっきり言って、医学部の6年間の講義、実習、テストなどは生やさしいものではありません。大学受験の勉強が大変なのは容易に想像がつくでしょうが、医学部在学中の講義、実習、テストなどでは、大学受験の何倍、何十倍もの努力が必要になります。つまり、苦痛を差し引いて楽しいと感じることができなければ到底続けられるものではないのです。

 現在大学受験の世界では「理系」がブームのようです。かつて日本は技術大国として世界から一目置かれる存在であり、それが現在では衰退しつつありますから、若い優秀な学生に工学や理学を学んでもらい、もう一度「世界一の技術大国」に返り咲きたいという国民全体の意識があるのかもしれません。

 そういう私自身も、優秀な日本人の科学者が次々と現れ、日本の企業が世界をリードする製品を開発してほしいという気持ちはあります。資源がなく平地面積が充分にあるとはいえないこの国が世界でやっていくためにはすぐれた技術の開発が不可欠であり、優秀な学生にはそういった道に進んでほしいと思います。

 しかしながら、これから理系の学部の受験をする若い人、また現在社会人で医学部を含めて理系の大学受験を考えている人は、今一度「本当に自分自身は理系の勉強を続けられるのか」を問い直してほしいのです。

 なぜ私がこのようなことを言いたいのか。それは私自身が散々苦しみ、あのような辛い思いは二度としたくないと考えているからです・・・。

 私が文系・理系の選択を迫られたのは高校2年の4月、時は1985年です。1985年といえば9月にプラザ合意がおこなわれ、それ以降急激な円高となったのにもかかわらず、結果として日本は空前の好景気に突入していきます。しかし、プラザ合意以前は「不景気」が続いており、「これからは手に職がなければ食べていけない。だから理系に行きなさい」という言葉をよく聞かされました。

 将来に向けたはっきりとした夢や目標がなく、得意科目のまったくなかった私は”なんとなく”理系を選択してしまいました。そして1987年の春、第一志望の関西学院大学理学部に現役合格しました。そんな気持ちでよく理系の大学に通ったな、と今から振り返ると自分でもそう思いますが、私には勉強のモチベーションがあったのです。

 しかし、そのモチベーションは「理学を研究したい」という純粋なものとは正反対で、「大学生活を楽しみたい」という不純なものでした。高校時代の私は、勉強にはまったく興味がありませんでしたが「大学生活」にはとても憧れていました。私の出身は三重県伊賀市(旧・上野市)で、大変な田舎であり大学など近くにありません。そんな田舎者の私にとって大学生活のイメージの元になっていたのは田中康夫氏の『なんとなくクリスタル』で、この小説に描かれている、ふわふわとした夢のような生活が、大学生にさえなれば誰にでもできるんだ、と私は本気で思い込んでいたのです。

 つまり、私は学問に取り組みたいという気持ちでなく「大学生活を楽しみたい」という気持ちだけで高いモチベーションを維持し、わずか2ヶ月ほどですが、ほとんど文字通り寝食を忘れて一心不乱に受験勉強に打ち込んだのです。

 けれども、合格したのはよかったのですが、(今考えれば当たり前のことですが)現実は『なんとなくクリスタル』の生活とは似ても似つかぬものでした。まず、私にはお金がありません。アルバイトをしようにも、文系学部とは異なり、朝一番から夕方6時までびっしりと授業がつまっていますし、レポートも大量にあり、その上頻繁にテストがありますから自宅でも勉強しなければならないわけで、私は大学生活を楽しむどころか、アルバイトにも時間がとれず食費にも困るほどでした。

 元々理学に興味がなかった私にとっては、授業も苦痛でしたが、それ以上に辛かったのが実験です。1987年の4月から約1年間、毎週火曜日は午前中に物理学の実験、午後からは化学の実験があり、週によっては実験がうまく行かず日が暮れても帰れませんでした。実験が終われば、試験管などをきれいに洗わなければなりません。今でもその光景をはっきりと覚えていますが、粉石けんと専用のブラシを使って使用した試験管1本1本を丁寧に洗わなくてはならず、洗った後、水を切ったときに試験管に水滴がついていると、まだきれいに洗えていない証拠だと言われ、さらに洗い直しをさせられるのです。(完全にきれいに洗えると試験管にかかった水はす~っと流れていき水滴がつきません)

 ぐったりして大学近くの下宿(風呂なし、トイレとキッチンは共同)に帰り、そこからレポートを書かねばならないわけですが、実験の内容も結果もきちんと理解できていない私にまともなものが書けるはずがありません。期日までに同じ班の誰かにレポートを見せてもらって作成するしか方法はありません。

  しかし、レポート作成にはそれなりの時間がかかりますし、そのレポートを見せてもらい、丸写ししたとバレないように少しアレンジを加えて作成しなければなりませんから、班のメンバーには無理を言って少なくとも期日の前日までに見せてもらうようお願いしなければなりません。この交渉がまた大変なのです。なにしろ当時は携帯電話どころか、下宿生では固定電話を持っている者もあまりおらず、たいていはその下宿の玄関に置いてある取り次ぎの赤電話を使います。その電話に10円玉を入れて電話をするのです。

 結局私は、第1回目の実験の日にこのような方法で同じ班のメンバーにレポートを見せてもらうことをお願いして、それから1年間ずっとこの方法でレポートを書き上げました。しかし、このようなことを続けていれば担当教官にもわかるようで、同じような結論を導いているレポートになっていたはずですが、この友達の成績は「優」で、私は「可」でした。

 実験のレポートはこのような方法で切り抜けられたとしても、テストはそういうわけにはいきません。まさかカンニングをするわけにもいきませんし、なんとか合格ギリギリの点数がとれるように自分で勉強するしか道はありません。

 話はズレますが、医学部に入ってから私が驚いたことのひとつはカンニングをおこなう学生がいる(いた)ということです。拙書『偏差値40からの医学部再受験』にも書きましたが、医学部でカンニングをする学生がいて、しかも日本中どこの医学部ででもあることという話を聞いて大変驚きました。私が関西学院大学理学部に在籍していたとき、カンニングの話など聞いたことがありませんでしたし、そもそも理学部のテストは解答用紙が数式のオンパレードになりますから、カンニングなどしようがありません。それに関西学院大学はキリスト教系の大学ということもあり不正行為には大変厳しいのです。文化系学部の学生が、カンニングが見つかり、その科目だけでなくその年に履修した科目がすべて無効とされ、さらに学内にあるチャペルで牧師さんの前で懺悔をしたという話も聞きました。

 話を戻しましょう。苦痛以外の何ものでもない実験、テスト、文化系学生とのあまりにも大きなギャップ・・・、これらが次第に大きな重荷になってきて、あれほど憧れて入学した関西学院大学を去ることを考え出したのは入学して2ヶ月ほどしかたっていない初夏の頃でした・・・。

つづく

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2013年10月5日 土曜日

2013年10月5日 電子タバコは本当に有効なのか

 電子タバコの危険性については、このサイトでも取り上げたことがありますし(下記医療ニュース参照)、厚労省は何度か注意喚起を促しています(注1)。しかし、国内外を問わず電子タバコで禁煙を試みる人は増加しており(イギリスでは禁煙に取り組む人の27%が利用しているという報告もあるほどです)、あらためて科学的な危険性と有用性の検証が急がれます。

 そんななか、ニュージーランドのオークランド大学で電子タバコの有効性と安全性についての評価試験がおこなわれ、医学誌『Lancet』2013年9月9日号(オンライン版)に論文が掲載されました(注2)。

 研究の対象者はオークランドの18歳以上の禁煙希望者で、調査期間は2011年9月6日~2013年7月5日です。対象者は、電子タバコ(16mgニコチン入り)使用グループ、ニコチンパッチ(21mg/日)使用グループ、プラセボ(ニコチンなし電子タバコ使用)グループの3つのグループに無作為に分けられて検討されています。

 その結果、6ヶ月が経過した時点で禁煙できていた人は、電子タバコのグループで7.3%(21/289例)、ニコチンパッチのグループで5.8%(17/295例)、プラセボでは4.1%(3/73例)だったそうです。数字だけでみると、電子タバコで禁煙成功率が高いように思われますが、統計学的に分析すると有意差はでなかったようです。

 危険性については、それぞれの有害イベント(副作用)の発生は、電子タバコのグループで137例、ニコチンパッチのグループで119例、プラセボでは36例で、これもまた数字だけみると電子タバコで危険性が高そうですが、統計学的には有意差はないようです。

 この研究からは、電子タバコは危険性があるとは言えないけれども、有効性も統計学的にはあるとは言えない、ということになります。

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 この研究結果をみて私が最もひっかかったのは、電子タバコであろうがニコチンパッチであろうが禁煙成功率が低すぎる、ということです。

 厚労省が平成21年度に調査し公表している「ニコチン依存症管理料算定保険医療機関における禁煙成功率の実態調査報告書」(注3)によりますと、ニコチンパッチでの治療終了9ヶ月の時点で禁煙を継続しているのが49.2%ですから、今回のニュージーランドの調査とあまりにも数字がかけ離れています。

 日本での禁煙治療はパッチよりも飲み薬(チャンピックス)が用いられることが多いのですが、厚労省のこの報告書によれば、飲み薬を用いての治療終了9ヶ月の時点の禁煙維持率は50.1%とされています。

 私がこの論文を読んで最初に思ったのは、電子タバコの有効性を論じる前に、「禁煙は薬を飲めばそれだけで成功するわけではない」ということです。この研究では、対象者は禁煙希望者(smokers wanting to quit)とされていますが、本当にやめる意思があったのかどうか、そして医療者は禁煙のサポートをしたのかどうか、という点が疑問なのです。

 研究の目的は「禁煙を支援すること」ではなく「電子タバコの有効性の検討」ですから、例えばカウンセリングなどのサポートはすべきでなかったということかもしれませんが、この研究でよくわかったのは「禁煙で重要なのは何を用いるかではなく禁煙を希望する人の意思と医療者のサポートこそが最重要」ということではないかと私はみています。

 そういう意味で、電子タバコも使うなら本人の強い意志と医療者のサポートがあればOKといえるかもしれません。ただし安全性が確立していれば、です。現時点では厚労省が電子タバコの使用に注意勧告をしていますから、安易な使用は控えるべきでしょう。

(谷口恭)

注1:平成22年12月27日付けで「ニコチンを含有する電子タバコに関する危害防止措置について」というタイトルで発表しています。詳しくは下記URLを参照ください。
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000000zlvf.html

注2:この論文のタイトルは「Electronic cigarettes for smoking cessation: a randomised controlled trial」で、下記URLで概要を読むことができます。
http://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736%2813%2961842-5/abstract

注3:この報告書は下記URLで読むことができます。
http://www.mhlw.go.jp/shingi/2010/06/dl/s0602-3i.pdf

参考:医療ニュース
2009年7月31日「「電子タバコ」はやはり危険!」
2008年9月26日「「電子タバコ」に要注意!」

投稿者 医療法人 谷口医院 T.I.C. | 記事URL

2013年10月4日 金曜日

2013年10月4日 女性も多量飲酒で脳卒中のリスクが増加

  ビール大ビン1本を毎日飲む女性は脳卒中のリスクが3倍近くに・・・

 これは大阪大学と国立がん研究センターの共同研究の結果で、同センターが2013年9月25日にウェブサイトで公表しています(注1)。大量飲酒で脳卒中になるという研究はこれまでにもありましたが、男性を中心としたものばかりで、日本人女性を対象とした大規模調査では今回の研究が初となるようです。

 研究の対象となったのは40~69歳の日本人女性約47,000人で、平均17年間の追跡調査がおこなわれています。アルコール摂取量を、「飲まない」、「時々飲む」、「週にエタノール換算で1-74g」、「週に75-149g」、「週に150g-299g」、「週に300g以上」の6つのグループに分けて検討されています。

 追跡期間中に1,864人が脳卒中になり、その内訳は、脳内出血532人、くも膜下出血338人、脳梗塞964人、その他12人とされています。これらを飲酒量により分析すると、「時々飲む」を基準としたとき、「週に300g以上」では全脳卒中のリスクが2.30倍、出血性脳卒中(脳内出血+くも膜下出血)で2.38倍、脳内出血では2.85倍、脳梗塞では2.03倍と増加が認められています。

 尚、心筋梗塞などの虚血性心疾患については292人が発症していますが、統計学的には発症例が少なく、飲酒との明らかな関係は認められなかったそうです。

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 同センターのサイト(注1参照)には、6つのグループの飲酒量ごとのリスクが棒グラフで分かりやすく示されています。これをみれば、300gで極端にリスクが上昇することがよく分かります。150-299gでもリスクが1.5倍になっていますから、脳卒中のリスクを減らすためには149g以下にした方がよさそうです(注2)。

 ただ、このグラフをよくみれば、「飲まない」グループの方が、「時々飲む」よりも脳卒中のリスクが高くなっています。昔からよく言われるように「健康維持にはほどほどの飲酒がいい」ということなのでしょうか。

(谷口恭)

注1:「女性における飲酒と循環器疾患発症との関連について」というタイトルで概要が紹介されています。下記URLを参照ください。
http://epi.ncc.go.jp/jphc/outcome/3310.html

また、この研究は医学誌『Preventive Medicine』2013年7月13日号(オンライン版)にも掲載されています。タイトルは、「Alcohol consumption and risk of stroke and coronary heart disease among Japanese women: The Japan Public Health Center-based prospective study」で、下記のURLで概要を読むことができます。
http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0091743513002272

注2 150-299gでビール大ビン1~2本、300gで2本以上が目安です。日本酒なら150-299gで1~2合、300gで2合以上になります。(いずれも1日あたりの平均量)

参考:医療ニュース
2009年10月8日「酒飲みの女性は乳ガンになりやすい」
2009年12月28日「ビール週7本で乳癌のリスク急増」
2011年10月26日「女性は中年期の適量の飲酒で高齢期が健康に」
2010年4月8日「適度な飲酒は女性の体重増加を抑制」

投稿者 医療法人 谷口医院 T.I.C. | 記事URL

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