2013年8月3日 土曜日
2008年4月3日(木) ブラジルでデング熱と黄熱が大流行
3月31日の共同通信によりますと、現在ブラジルでデング熱と黄熱が大流行し、今年の死亡者はそれぞれ54人、20人となっています。
この事態を重視したブラジル政府は、軍500人を動員しウイルスを媒介する蚊の駆除を開始するようです。
デング熱による死亡者は確定の54人の他、疑われている死亡者が60人いるようです。
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デング熱というと、東南アジアのイメージが強いですが、南米でもときに猛威をふるうことがあります。デング熱だけならそれほど重症化しませんが、重症型のデング出血熱をきたすと致死率はかなり高くなります。
デング熱には今のところワクチンはありませんから、蚊に刺されないような予防をすることが大切です。
黄熱については、有効なワクチンがありますから、南米やアフリカを旅行される方は検討してみてはいかがでしょうか。
(谷口恭)
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|2013年8月3日 土曜日
2008年4月3日(木) 悪玉コレステロールは少なすぎてもダメ!
悪玉コレステロール(LDL)が高すぎると、脳梗塞や心筋梗塞になりやすくなることは有名ですが、低すぎても問題があるという研究が報告されました。(報道は3月29日の毎日新聞)
東海大学の研究者らがおこなった今回の研究では、神奈川県の住民約2万6千人が対象となり平均8.1年間の追跡がおこなわれています。対象者を悪玉コレステロールの値ごとに7つのグループにわけて、死亡率や死因との関係を調べています。
その結果、男女とも、最も悪玉コレステロールの低いグループ(LDL 79mg/dL以下)が一番死亡率が高くなっています。男性では、年間死亡率が人口10万人あたり約3,400人と、死亡率が最も低いグループ(LDL 140-159mg/dL)の約1.6倍です。女性は、人口10万人あたり約1,900人で、死亡率が最も低いグループ(LDL 120-139mg/dL)の約1.3倍です。
男女とも悪玉コレステロールの値が低いと、ガンや呼吸器疾患による死亡が増えて、全体の死亡率が高くなっています。
一方、脳梗塞や心筋梗塞による死亡率をみてみると、男性ではLDL 180mg/dL以上になると死亡率が上昇していますが、女性はほとんど関係がないという意外な結果がでています。
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これらの結果を踏まえると、男性は悪玉コレステロール(LDL)を140~159mg/dL程度に、女性は120~139mg/dL程度にするのが理想となります。また、女性は悪玉コレステロールが高くても気にしなくてもいいのかもしれません。
現在の悪玉コレステロールの基準値は、70~139mg/dLとされていますから、今回の研究結果を尊重するなら、男女とももう少し高めに設定すべきなのかもしれません。
(谷口恭)
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2008年4月7日(月) 米国、9万人の乳児が虐待
米国で初めての乳児虐待の実態報告がおこなわれ話題を呼んでいます。
2006年度(2005年10月から2006年9月)に、1歳未満の乳児の約2.3%に相当する91,278人が親などから虐待を受けたと発表されました。(発表はCDC(疾病管理局)の週報、報道は4月4日の共同通信)
さらに、生後1週間未満の被害が約3万人と全体の3分の1を占めていることも注目に値します。
CDCは、児童保護関連施設からの報告例を集計しています。虐待の内容は、殴るける、激しく揺さぶるなどの「肉体的加害」、食事や衣服や必要な医療を与えないなどの「放置」に分類されています。
生後1週間未満の乳児に対する虐待の内訳は、「放置」が69%、「肉体的加害」が13%、残りがこれらの複合型となっています。
CDCの専門家は「親が薬物を使用していると虐待の危険性が極めて高くなる。生後間もなくは親にストレスのかかる時期で、特に注意が必要だ」と指摘しています。
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日本でも薬物に依存している親は少なくないでしょう。さらに、アルコール依存を加えるとその数は何倍にもなるはずです。
日本での同じような報告を私は見たことがありませんが、「生後間もなくは親にストレスがかかる」のは日米で変わりないはずです。個人的には、「子供を助ける」だけでなく「親のストレスを社会がサポートする」ことが大切だと考えています。
(谷口恭)
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2008年4月15日(火) “心の病”が63%、国家公務員の長期病欠
2006年度に病気やけがで1ヶ月以上休んだ国家公務員は6,105人、そのうち63%がうつ病や統合失調症など”心の病”であることが、人事院の調査で判明しました。(報道は4月10日の共同通信)
”心の病”が占める割合は、前回同様の調査がおこなわれた2001年には34%でしたから大幅に増加していることになります。
国家公務員の長期病欠についてもう少し詳しくみてみましょう。
長期病欠の原因の第2位が「ガンなどの腫瘍や白血病」で9.9%、第3位が「心筋梗塞などの循環器系疾患」で5.2%となっています。これらは、いずれも前回の調査より減少しており、”心の病”のみが急激に増加していることがわかります。
年代別でみると、長期病欠全体に占める”心の病”の割合は、20代で81%、30代が73%、40代が66%、と、若年層ほど高い傾向にあるようです。
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5年の間に、”心の病”が34%から63%に増えているということに驚かされます。
人事院は、「国会対応などによる恒常的な長時間勤務や職場でのストレスの増加が主な原因」とみているようです。
今回の調査は国家公務員のみですが、一般の会社員でデータをとってみても同じような結果となるのではないでしょうか。
実際、すてらめいとクリニックにも、長時間勤務や職場でのストレスが原因と思われる”心の病”を抱えた患者さんがよく来られます・・・。
(谷口恭)
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2008年4月16日(水) お金がなくて病院に行かなかった人が3割
「費用がかかるから」という理由で過去1年間に医療機関の受診を控えた経験のある人は3割にもなる・・・
このような発表をNPO法人「日本医療政策機構」がおこない話題を呼んでいます。(報道は4月15日の毎日新聞)
同機構は、今年の1月、無作為に抽出した全国の20歳以上の4,000人に調査用紙を送り、926人から有効回答を得ています。
体調が悪いのにもかかわらず「費用がかかるから」という理由で受診を控えたのは全体で31%、低所得層(世帯年収300万円未満)では39%にも達しています。高所得層(世帯年収800万円以上)でも18%、中間層は29%となっています。
さらに、「(費用がかかるから)薬を処方してもらわなかった経験がある」と答えた人も12%にのぼっています。所得層別にみると、高所得層は2%、中間層は11%、低所得層は16%です。
同機構によりますと、2001年時点の海外の調査では、受診を控えた経験のある人は、イギリス3%、カナダ5%、アメリカ24%となっています。
OECD(経済協力開発機構)の調査では、加盟30ヶ国中、イギリス、カナダなど10カ国は医療費の個人負担がゼロです。フランスは日本と同様3割負担ですが、社会的弱者や長期の病気の場合は負担がゼロになります。
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尚、日本のGDPに占める医療費の割合は、約8%で、G7平均の10.2%より大幅に少なく、OECDの平均8.9%よりも下回っています。
この調査を踏まえると、日本は医療費の個人負担が世界的にみて多すぎる、もっと公的な負担を増やして医療機関にかかりやすいようなシステムにすべき、となります。
すてらめいとクリニックでは、診察室で先に費用を示してから検査や薬の処方にすすむようにしていますが、ときどき、「先生、今日は2千円しかないからこれでおさまるようにして!」というような方がおられます。
我々医療従事者からすると、このようにお金がなくてもとりあえず受診してくれると助かります。お金が無いなら無いなりになんとかなる場合もありますし、「費用がかかるから」という理由で受診されないと重症化してしまうこともあります。
医療費の個人負担が高いのはたしかに問題ですが、「高い!」と言ったところで何も解決しません。まずは、「お金がなくても受診する」という意識が必要だと思います。
(谷口恭)
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2008年4月19日(土) 百日咳が急増!
百日咳(ひゃくにちぜき)に罹患する人が急増しており、データのある2000年以降では最多となっていることが、国立感染症研究所の調査であきらかとなりました。(報道は4月16日の共同通信)
百日咳と言えば、”子供の病気”というイメージが強いと思われますが、最近では成人患者の増加が目立ち、全体の4割近くを占めています。これは、乳幼児期に接種したワクチンの効果が衰えていることが原因と思われます。
百日咳の報告は全国約3千ヶ所の小児科からおこなわれます。今年3月末までに報告された患者数は851人で、これは調査が開始された2000年以降で最多となっています。都道府県別では、千葉150人、福岡70人、大阪69人、広島58人、愛知56人など、大都市圏で多いのが特徴です。
成人(20歳以上)の占める割合は36.5%と過去最多を示しています。しかし、報告は小児科だけでおこなわれていますから、小児科を受診しない(一般内科などを受診する)人は報告に含まれていません。これを考えると成人の患者数はさらに増えることは間違いありません。
昨年は、香川大学、大阪府立大学、高知大学などで百日咳の集団感染が起こり、休講措置がとられました。
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昨年の百日咳の流行は、5月ごろから急速に広がりました。昨年は、「はしかで休講」、「百日咳でも休講」など、古典的な感染症が学生の間でアウトブレイクしましたが、今年もその傾向は継続しています。
百日咳は、感染力が大変強く、保菌者のせきやくしゃみで簡単に感染します。長引くこともありますが、通常は特定の抗生物質を使用すると治癒に向かいます。
”長引く咳”は放っておかないように・・・・
(谷口恭)
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2008年4月19日(土) 乳製品を多くとる男性は前立腺癌になりやすい!
牛乳やヨーグルトなど乳製品を多く摂る男性は、ほとんど摂らない人に比べて、1.6倍も前立腺癌になりやすい!
このような発表が厚生労働省研究班によっておこなわれ話題を呼んでいます。(報道は4月16日の日経新聞)
この調査は全国の45歳から74歳の男性約4万3千人を平均7年半にわたり追跡しています。乳製品をどれくらい摂取しているかを調べ、4つのグループに分けて前立腺癌になる危険性を調べています。調査期間中329人が前立腺癌と診断されています。
乳製品の摂取量が最も多いグループ(1日約340グラム)は、最も少ないグループ(ほとんど摂取していない)に比べ、前立腺癌の危険性が1.63倍大きくなっています。
なぜ乳製品が前立腺癌のリスクになるかは分かっていませんが、乳製品に含まれるカルシウムが血中ビタミンDの濃度を抑えることや、飽和脂肪酸が男性ホルモン濃度を上昇させることが原因ではないかとみられています。
ただ、乳製品は骨粗しょう症や高血圧、大腸癌に対する予防効果があるとする研究もあり、研究班は「乳製品の摂取を控えた方がいいとは一概に言えない」とコメントしています。
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「乳製品が悪い」とする研究は珍しいと言えるでしょう。
前立腺癌については、米国の医学誌「Journal of the National Cancer Institute」の2007年5月16日号で、「マルチビタミンを過剰に摂取するとリスクが増大する」という報告がおこなわれています。
また、迷信のようなものだと思いますが、「たくさんの女性と性交渉の経験がある男性は前立腺癌になりやすい」と言われることもあります。
(谷口恭)
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|2013年8月3日 土曜日
2008年4月19日(土) ニューヨーク、メニューにカロリー表示を義務化
4月17日の共同通信によりますと、ニューヨーク市では、4月21日から、全米で15以上の店舗を持つレストランチェーンはメニューにカロリー表示をしなければならないという条例が施行されることになりました。
このような条例は全米で初めてです。
ニューヨーク州レストラン協会は、この条例を違憲として訴えていましたが、AP通信によりますと、ニューヨーク連邦地裁は、「消費者が低カロリーの食事を選択する情報で、肥満の低減につながることが期待できる」、として訴えを退けたそうです。
「全米で15以上の店舗をもつレストランチェーン」は、全部で約23,000店あるとされるニューヨーク市のレストランの1割が相当するとみられています。6月までの猶予期間後に表示を怠った場合、2千ドル(約20万円)以下の罰金が科せられることになります。
米国では、肥満は以前から大きな社会問題になっており、一部のチェーン店ではすでにカロリーを表示しています。ニューヨーク市当局は、今回の条例によって、今後5年間で15万人の市民が肥満になるのを防ぎ、3万人を糖尿病にかかる危険から救うと推定しているそうです。
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メニューにカロリー表示をしたくらいで、15万人が肥満になるのが防げるとは私には思えませんが、カロリー表示すること自体は評価されるべきかもしれません。
しかしながら、料理を用意する方も楽しむ方もカロリーを意識しなければならないというのは、それを考えただけで料理がまずくなってしまうような気もします・・・。
(谷口恭)
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|2013年8月3日 土曜日
2008年4月29日(火) 硫化水素を使った自殺が急増
4月25日の午後1時頃、東京の高級ホテルの10階で硫化水素が発生し宿泊客の男性が死亡しました。さらに、横浜、大阪、神戸、北九州でも同様の事件が発生し、この日の午後だけで少なくとも合計男女7人が死亡しています。これらはいずれのケースも自殺とみられています。(報道は4月28日の共同通信)
警視庁によりますと、東京のホテルで死亡したのは岡山県の47歳の男性で、自身で購入したトイレ用洗剤と入浴剤を使い硫化水素を発生させたと考えられています。
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硫化水素は比較的簡単に製造することが可能なために今後も自殺に使われるかもしれません。それにしても、同日に7人もの男女が同じ方法で自殺したというのは奇妙に思えます。
(谷口恭)
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|2013年8月3日 土曜日
2008年4月29日(火) 仏、過剰なダイエット指南に罰則規定の見込み
4月28日の共同通信によりますと、フランス国民議会(下院)は、主に若い女性を対象に、過剰なダイエットを指南するようなインターネットサイトやメディアの当事者に、最高で禁固3年、罰金4万5000ユーロ(約730万円)を科す「やせ過ぎや拒食症の扇動と戦う法案」を賛成多数で可決し上院に送りました。
法案では、「長期にわたる食事制限によって行き過ぎた減量を行わせ、その結果として健康を危うくする行為」に罰則を与えると規定されています。
フランスでは拒食症の患者が3万から4万人に上るとみられています。下院議員のバシュロナルカン氏は、一部のインターネットサイトについて「吐き戻しやすい食品を紹介したり、食事を取った後、自らを痛めつけるよう奨励したりしている」と指摘し、このような減量指南は「死のメッセージだ」と非難したそうです。
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拒食症が長期化すると、心身ともに衰退していき、命にかかわる状態になることも少なくありません。
この法案のように、行き過ぎたダイエットを煽る者には罰則を規定すべきだと思われます。
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