2013年8月3日 土曜日

2008年1月22日(火) 4つの習慣で14年間長生き?!

 4つの習慣をもつことで14年間も長生きできる・・・。

 このような研究を英国ケンブリッジ大学の研究班が米国の医学誌に発表し話題を呼んでいます。(報道は1月8日の共同通信)

 この研究班は、英国南東部の45歳から79歳の健康な住民約2万人を対象とし、1993年から1997年にかけて健康調査を実施し、2006年までの死亡率と生活習慣との関係を解析しました。

 その結果、①タバコは吸わない、②飲酒はほどほど(ワインなら1週間にグラス14杯まで)、③1日に最低こぶし5つ分程度の野菜・果物をとる、④1日30分程度の軽い運動をする、の4つの習慣がある人は、4つともない人より、同年齢で病気による死亡率が4分の1と低く、これは14年分の寿命に相当することが分かりました。

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 ワインを1週間にグラス14杯というのは、”ほどほど”ではないように思うのですが、お酒が好きな人には朗報に聞こえるかもしれません。

 考えてみると、禁煙、飲酒ほどほど、野菜と果物、運動、というのは当たり前の話であって新しい発見ではないように思えますが、”14年間長生き”というのは、食事療法・運動療法のモチベーションになるかもしれません。

(谷口 恭)

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2013年8月3日 土曜日

2008年2月1日(金) はしかが今年も大流行の兆し

 1月25日に国立感染症研究所が発表した報告によりますと、昨年春にアウトブレイクしたはしか(麻疹)が、今年も多数発生していることがわかりました。(報道は1月25日の日経新聞)

 同研究所によりますと、神奈川県の10代を中心に昨年を上回る勢いではしかが流行しています。同研究所は、「春以降に全国レベルで発生するおそれがある」として、ワクチンの接種をよびかけています。

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 すてらめいとクリニックは、近くに専門学校などが多数あることもあり、昨年の大流行と同時に、ワクチン希望者、抗体検査希望者が多く来院されました。

 これまでの結果を簡単にまとめると、10代のほぼ全員、20代の約8割に抗体ができていませんでした。これは、未接種の人だけでなく、幼少時にワクチンを接種した人も含めてです。

 そして、驚くべきことに、30代前半の人でもおよそ半数は抗体を持っていません。(30代後半の人で抗体検査を受けた人はあまりいません)

 気になる方、特に医療関係者や教育関係者は一度抗体検査を受けてみることをおすすめいたします。

(谷口恭)

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2008年2月4日(月) インフルエンザ罹患者が4万人以上に

 全国約4,700の医療機関から国立感染症研究所に報告された今年第3週(1月14日から20日)のインフルエンザ患者数が、今季最多の44,567人(1機関当たり平均9.35人)になったことがわかりました。(報道は1月29日の毎日新聞)

 今季は、この20年で最も早い昨年第47週(11月19日から25日)に流行が始まりましたが、学校が冬休みとなった年末年始にいったん、患者数が減っていました。

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 私が感じている今シーズンのインフルエンザの特徴は、”症状が重くないケースが多い”ということです。

 熱がそれほど上がっていないケースや、倦怠感がそれほど強くないケースもままあり、”念のために”検査をして、インフルエンザ陽性というケースが例年に比べて非常に多い印象があります。

 インフルエンザは、小児や高齢者、免疫不全の人にはうつしてはならない疾患で、甘くみてはいけません。気になる人は、「ただの風邪」と決め付けないで、近くの医療機関を受診されてはいかがでしょうか。

(谷口恭)

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2008年2月4日(月) 低用量ピルは卵巣癌を予防する

 低用量ピル(経口避妊薬)には、卵巣癌の予防効果があり、30年以上にわたりリスクが低減される・・・

 医学誌「Lancet」の1月25日号で、このような報告がおこなわれ話題を呼んでいます。

 研究者は、21ヶ国の女性10万例以上の個人データを解析し、「ピルを10年間使用すると、卵巣癌の発生率が使用者100例あたり1.2から0.8に減少し、卵巣癌による死亡率は使用者100例あたり0.7から0.5に減少する」、との結論を導いています。

 さらに、「ピルが利用されてきた過去50年間において、全世界で約20万例の卵巣癌および約10万例の死亡が未然に防がれてきた」、との推論もおこなっています。

   「Lancet」は、「このような命にかかわる悪性腫瘍を強力かつ長期的に予防する薬物はほとんどない」、と論説を加えています。

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 ピルは、子宮内膜癌と大腸癌(結腸直腸癌)の予防効果があることもこれまでの研究で明らかになっています。しかし、一方では、子宮頚癌と乳癌のリスクが増加するとの報告もあります。
 
 今回の研究は、ピルの安全性だけでなく、癌予防としての有用性も強く訴えるものであり、将来的にピルをOTC(医師の処方せんなしで薬局で買える薬)にしようとする動きに拍車をかけることになるかもしれません。

 実際、若い女性の3人に1人がピルを飲んでいると言われているイギリスでは、以前からピルのOTC化が望まれています。

(谷口恭)

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2008年2月4日(月) 経口禁煙薬が承認

 すてらめいとクリニックでも禁煙外来の患者さんが増えてきていますが、主要な禁煙補助薬はパッチ(貼り薬)で、場合によってはガムを使うこともあります。

 米国や欧州では、経口の補助薬(飲み薬)が一昨年あたりから登場し、広く使用されるようになっていましたが、日本でも近いうちに使用できることになりそうです。

 1月30日の共同通信によりますと、ファイザー製薬は1月29日、経口補助薬「チャンピックス」の製造販売承認を取得したことを発表しました。

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 ニコチンパッチは使いやすくて便利な薬ではあるのですが、「かぶれやすい」という欠点があります。そのため、毎日貼る場所を変えたり、あらかじめステロイド外用薬を塗布してもらったりすることもありますが、患者さんによってはどうしても使えないという人もいます。

 実際に、今回承認がとれたこの飲み薬がいつから患者さんに処方できるようになるのかは現時点では分かりませんが、それほど遠いことではないでしょう。

 禁煙方法の選択肢が広がることで禁煙を試みる人が増えることを期待したいものです。

(谷口恭)

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2008年2月4日(月) ボツリヌス毒注射の副作用で16人が死亡

 シワ取りなど美容外科領域で使われることもあるボツリヌス菌毒素の注射による副作用で、米国では少なくとも16人が過去9年間の間に死亡していることがわかりました。

 この発表をおこなったのは、米国の消費者団体「Public Citizen」です。(報道は1月29日の読売新聞)

 ボツリヌス毒素は神経を一時的に麻痺(まひ)させ筋肉を弛緩させます。筋肉の弛緩によりシワがとれることから近年日本でも美容領域でもよく使われる薬剤です。

 この消費者団体は、製薬会社からFDA(米国食品医薬品局)に提出された自発的な副作用を分析しています。麻痺の影響で飲食物が誤って気管に入ったことによる肺炎(「誤嚥性肺炎」と言います)が、1997年11月から2006年12月に米国内で180件あり、そのうち16人は死亡しています。死者のうち4人は少年で、シワ取り治療でも1人が亡くなっています。

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 最近はボツリヌス菌が大変有名になり、シワ取り目的で注射を希望する人が増えています。当院の患者さんからも何度か問い合わせを受けたことがあります。

 極めて専門性の強い治療になりますから、興味のある方は施術前に危険性をしっかりと認識すべきでしょう。(すてらめいとクリニックではこの注射をおこなっていません)

(谷口恭)

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2008年2月12日(火) タバコで年間800万人が死亡

 タバコに関連する世界の死者数が2030年までに年間800万人に上り、その80%が発展途上国だけで占められる恐れがある・・・

 これは、WHO(世界保健機関)が2月7日に発表した報告です。(報道は2月8日の共同通信)

 WHOによりますと、現在、世界で推定約500万人が死亡しています。世界の喫煙者は10億人以上で、約3割が中国、その後に、インド、インドネシア、ロシア、米国、日本と続いています。

 報告書によりますと、タバコの値段は国で大きく異なり、日本では1箱300円程度なのに比べ、イギリスでは5ポンド23ペンス(約1、090円)となっています。日本と米国の間には大きな差はないようです。

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 日本でもタバコを大きく値上げしてみればどうかと思います。イギリス並みに千円にしてみて、それでも喫煙者が減らなければ1箱1万円くらいにすればさすがに喫煙率は下がるのではないでしょうか。(そうなると闇タバコが登場するようになるかもしれませんが・・・)

(谷口恭)

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2008年2月13日(水) はしか(麻疹)が今年も大流行の兆し

 昨年、アウトブレイクしたはしか(麻疹)が今年も大流行する可能性が強くなってきました。

 1月1日から27日に全国の医療機関から国立感染症研究所に報告された患者数は659人にのぼっています。学級閉鎖をおこなうところもでてきて、例年よりも早く流行が始まる恐れがあります。(報道は2月10日の毎日新聞)

 報告によりますと、罹患者は、10~14歳が166人、15~19歳が135人と10代が中心となっています。報告された罹患者のおよそ6割は予防接種歴がないそうです。

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 昨年のアウトブレイクを受けて、すてらめいとクリニックにも大勢の方がはしかの抗体検査あるいはワクチン接種を受けに来られました。

 ワクチンを接種している人でも抗体ができていない人が数多くおられます。10代だけでなく20代、あるいは30代前半の人でも抗体のない人が少なくありません。

 報道には「早く流行が始まる」という表現が使われていますが、そもそも先進国にははしかはほとんどないわけで、”流行”があること事態が問題です。

 気になる方は一度抗体検査をされてはいかがでしょうか。大流行する前に・・・。

(谷口恭)

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2008年2月18日(月) 日本のHIV陽性者、またもや最多記録を更新

 厚生労働省のエイズ動向委員会が、2月12日、2007年に新たに報告されたHIV感染者及びエイズ発症者の数を発表しました。

 発表によりますと、2007年に新規にHIV感染がわかった人が1,048人、すでにエイズを発症していた人が400人で、合計1,448人となります。これは過去最多であり、感染者・発症者の合計報告数は2003年以降、5年連続で最多を更新し続けています。

 1,448人の内訳は、男性が1,336人、女性が112人。感染経路は同性間の性的接触が849人、異性間の性的接触が367人、薬物の乱用によるものは6人です。年代は、30代が568人と最多で、20代348人、40代292人と続いています。

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 報告から分かることは、日本のHIVの傾向として、男性同性愛者に多いことと、薬物の乱用が極端に少ないということです。

 しかし、ハイリスクの人すべてが検査を受けているわけではありません。特に薬物乱用がわずか6人というのは少なすぎるように思われます。

 いろんなところで指摘しましたが、日本は世界有数の”ドラッグ天国”です。また、私の印象で言えば、同性愛者に比べて異性愛者は性感染症に対する意識が低いように思えます。

 「男性同性愛者に多い」「薬物乱用者が少ない」ということを裏からみれば、「(リスクのある性行為をしている)異性愛者」と「薬物乱用者」の意識が低いという言い方ができるのではないでしょうか・・・。

(谷口恭)

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2008年2月18日(月) ニセ薬がインターネット上に大量に流通

 2月16日の日経新聞によりますと、バイアグラやタミフルなどの偽物がインターネットで大量に流通していることが分かりました。

 偽物の存在はFDA(米国食品医薬品局)の調査によって明らかにされ、日本向けサイトで「純正品のバイアグラ」とされているものも偽物であることが判りました。

 日本の厚生労働省もこういったサイトの存在を把握しているようですが、「(業者の)場所が分からないので手を出せない」(監視指導・麻薬対策課)というのが現状のようです。

 FDAが調査したサイトのなかで、インターネット上で流通しているダイエット薬に有効成分が入っていないことが確認されています。また、ED治療薬のシアリスの偽造品も確認されているようです。

 偽造医薬品問題に詳しい専門家は次のようにコメントしています。

 「専門家の指導で使うべき医薬品を個人で使うのは危険。外国語による使用法の説明や虚偽表示、日本語では誤記載があり、適正に使用できない。直接生命や健康にかかわる医薬品をネットで買うのはやめてほしい」

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 このウェブサイトでも過去に何度か指摘しましたが、インターネット上で流通している医薬品のおよそ半数が偽物という報告もあります。

 ”直接生命や健康にかかわる医薬品”ということをお忘れなく・・・

(谷口恭)

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