2022年7月28日 木曜日

2022年7月28日 1日43分の早歩きで認知症の「リスク」が3割低下

 いい薬があるとは言えず、確実な予防法があるわけでもないのが認知症です。運動は有効とする意見は昔からありますが、過去のコラム「認知症について最近わかってきたこと(2018年版)」で紹介したように、認知症になった人に運動をしてもらっても進行を遅らせることができないという研究があります。

 今回紹介するのは「明るい話題」です。「中等度の強さの運動は認知症を発症するリスクを27%下げる」が結論です。

 医学誌「Journal of Alzheimer’s disease」2022年4月号に掲載された論文「日本人高齢者の身体活動強度と認知症:8年間の縦断研究に基づいた用量反応分析(Physical Activity Intensity and Suspected Dementia in Older Japanese Adults: A Dose-Response Analysis Based on an 8-Year Longitudinal Study)」を紹介します。

 研究の対象者は3,722人の日本人の高齢者。8年間の追跡期間中に「認知症の疑い(suspected dementia)」と診断されたのが全体の12.7%でした。「中等度の強さの運動」を週あたり300分以上続けていた高齢者は、そうでない高齢者と比べると、「認知症の疑い」と診断されるリスクが27%減少していました。

 「中等度の強さの運動」の実施時間と「認知症の疑い」のリスク減少は直線的な関係となりました。つまり、「運動をすればするほどその分だけ認知症のリスクが下がる」となります。

 興味深いことに、「強度の強さの運動」と「認知症の疑い」には有意な関係はありませんでした。

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 結論としては、「中等度の強さの運動を週に300分しましょう」、ということになるわけですが、「中等度」と言われてどのようなことをすべきか分かるでしょうか。東京都健康長寿医療センター研究所のウェブサイトに分かりやすい説明があるので、それをここでさらに簡単にまとめて紹介したいと思います。

 中強度(中等度の強さ)の運動とは、安静時(椅子に座ってじっとしている状態)の3.0~5.9倍の強度を指します。普通歩行なら3.0倍、速い速歩きは5.0倍の強度に相当します。

 高強度(高度の強さ)の運動とは、安静時の6.0倍以上の強度を指します。ゆっくりとしたジョギングがちょうど安静時の6.0倍に相当します。山登りは6.5倍、ランニングは8.3-9.8倍、水泳なら10.0倍です。

 今回紹介した論文の結論は「中等度の強さの運動を週に300分」ですから、「1日43分の早歩きかゆっくりのジョギングを毎日しましょう」ということになります。

参考:
医療ニュース2021年1月29日 1日わずか11分の運動で「座りっぱなし」のリスク解消
はやりの病気第215回(2021年7月) アルツハイマー病の新薬が期待できない理由

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2022年7月21日 木曜日

第227回(2022年7月) 「将来のビジョン」を描くことで精神症状を治す

 太融寺町谷口医院(以下「谷口医院」)は「精神科」を標榜していませんが、「心(精神)の調子が悪く診てほしい」という依頼は2007年の開院時からあります。頼まれれば無条件で診察する、というわけではなく、できるだけ希望は聞くようにしますが、初めから精神科を紹介する場合もあります。

 しかし、いつの頃からか「精神科を受診したけれどうまくいかなくて……」という訴えが増え始め、現在ではそういう患者さんは谷口医院で診るようにしています。どのような患者さんが多いかというと、最も多いのが「精神科で処方される薬を使いたくない」あるいは「精神科で処方されている薬を止めたい」という希望をもっている人です。

 今回は、そういった人たちに谷口医院ではどのような治療をしているかを紹介したいと思います。尚、巷には「精神科医は一切不要」とする「精神科医不要論」があるようですが、私はそういった考えには与しません。ただ、精神科の薬を止めたいといって受診する患者さんのなかには、たしかに「はじめからこんな薬、要らなかったのでは?」と思わざるを得ないケースがあるのは事実です。

 元々私は谷口医院を開業する前から「薬(や検査)は最小限」と言い続けてきました。Choosing Wiselyという概念が登場したときに、すぐに飛びついたのも元々私が考えていたことと一致したからです。もっとも、こういう考えは私のオリジナルではなく、大学の総合診療の現場では以前から徹底されています。私が研修医の頃も、上司に自分が診た事例の報告をすると「その検査は本当に必要だったのか」「その薬はどうしても処方しなければならなかったのか」といったことを厳しく追及されました。

 さて、精神疾患について。開業当初よりも現在の方が、私の処方量(処方する薬の量/精神症状の訴え)は減っています。そうなったきっかけはいくつかありますが、ここでひとつ挙げるとすると、以前のコラムでも紹介した2012年9月に起こった「目黒区社長夫人マイスリー息子殺害事件」です。当時42歳の社長夫人がマイスリーを飲み、意識がないなかで5歳の我が息子を殺めました。目と口をガムテープでふさぎ、ビニール紐で身体を縛り上げ、さらには家庭用ゴミ袋を二重に被せてガムテープで密閉したのです。

 この社長夫人はマイスリー以外にもアルコールも飲んでいたと報道されていますが、アルコールなしでの高齢者によるレイプ事件も起こっています。2012年3月、明石市の総合病院で当時72歳の男性が深夜に女性部屋に忍び込み、当時87歳の女性に襲いかかったのです。

 これらの事件が報道されてから、私はマイスリーを処方している患者さん、及びこれから処方する患者さんのほぼ全員に事件の話をしています。すでにマイスリーを飲んだことのある患者さんのなかには、「夜中に友達に電話していたことを翌日の携帯を見て知った」とか「朝起きるとお菓子を食べ散らかしていたことが分ったけど記憶がない」といったエピソードを話す人もいます。そして、必ずしもアルコールは伴っていません。

 ベンゾジアゼピン系及びその類似薬品(マイスリーはこちらに入ります)は過去のコラム「本当に危険なベンゾジアゼピン依存症」などで述べましたから繰り返しませんが、ここでは「依存性の強い薬は安易に使うべきではなく、仮に使い始めたとしてもできるだけ早く離脱することを考えなければならない」という基本を確認しておきましょう。

 では、すぐに効いて患者満足度の高いベンゾジアゼピン系を使わないとすれば、不眠や不安、うつ状態にはどのような治療をおこなえばいいのでしょうか。比較的副作用が少なく、依存性がない薬もいくつかあるので、必要があればそういった薬剤の処方をすることもありますし、代替として漢方薬を処方することもあります。けれども、今回は「薬以外」の方法を紹介します。

 まずは「運動」が挙げられます。これは世界的に周知の事実で、例えば英国の国民保健サービス(NHS)も、米国のメイヨークリニックも、ハーバード大学も精神症状に対する運動を推奨しています。谷口医院の患者さんでも効果が出ていますし、診察室では「どのような運動を始めるか」について私が患者さんに助言しています。

 今回のコラムでは、その「運動」と共に私が一部の患者さんに勧めている「将来のビジョンを描く」について紹介しましょう。これは「将来のビジョンを明確に描くことにより、不安感や抑うつ感を解消する方法」です。この方法を思いついたのは、谷口医院をオープンする前にタイで出会った当時40歳のうつ病を患っている男性との会話がきっかけです。そして、その話は過去のコラム「お金に困らない生き方~4つの秘訣~(前編)」でもしました。ここではもう一度、その男性のセリフを紹介しましょう。

「一生食べていける大金をもらえるか、安定した仕事に就けるなら、僕のうつ病はすぐに治ります。世の中のうつ病の大半は単にお金がないことが原因なんですよ……」

 この男性の言葉に反論できる人はどれだけいるでしょう。もちろんお金があれば何もかも解決するわけではありませんし、この説は飛躍しすぎています。ですが、お金があれば「この先食べていけるか不安……」という悩みは解決しますし、将来病気を患って頼れる人がいなかったとしても、ある程度のお金があればたいていはなんとかなります。

 けれども、例えば「現在の仕事は辛くて続けられない」「仕事は続けたいけどあの上司の下ではこれ以上働けない」「履歴書をいくら送っても仕事にありつけない」といった場合はどうでしょう。仕事がない、あるいは失うかもしれない、といったときに抑うつ感や不安感がゼロでいられる人はそうはいないでしょう。こんなときに気分がすぐれないからといって向精神薬を内服して問題が解決するでしょうか。

 それならば、たとえ現状が苦しくても、不安感や抑うつ感や不眠に苦しめられながらでも将来のビジョンを思い描く方がずっと健全です。私がよく患者さんに問いかける言葉は、「5年後にはどんな生活をしていたいですか?」というものです。「同じ職場にいたいですか?」と聞くと、半数以上の人は「できるなら別のことをしていたいです」と言います。そこで、「それを実現するには1年後にはどのようなことができるようになっている必要があるでしょう」、さらに「では1年後そうなるためには今日からできることは何かありませんか?」と聞きます。ここまでくると、不安や抑うつ感を感じているヒマなどない、という考えに至る人もいます。

 高齢者の場合は「あなたはいくつまで生きる予定ですか?」と聞くこともあります。このような質問は、患者医師関係が構築できてからにすべきですが、ときには初診時に尋ねることもあります。次に「ではそれまでにやりたいことを全部やるようにしませんか」というふうに話をもっていきます。そもそも、高齢者に対してはよほどのことがない限り、向精神薬を使うべきではありません。もちろん、それ以外の薬も安易に使うべきではありません。健診の結果が少々基準から離れていても必ずしも薬が必要になるわけではないのです。すぐに「検査、検査」という人がいますが、谷口医院では「検査はいつも最小限」を徹底しています。ですから、特に高齢者の場合、初診時には診察代のみとなることも多々あります。

 この「将来のビジョンを描いて精神状態を健全に保つ」という方法、スランプに陥った精神状態を改善させるだけでなく、人生に元気と勇気を与えてくれます。現状に満足できていなくても、将来に明るいビジョンを持つことさえできればなんとかやっていけるものなのです。

投稿者 医療法人 谷口医院 T.I.C. | 記事URL

2022年7月10日 日曜日

2022年7月 世界から戦争をなくす方法

 たしか20代の頃、なにかの雑誌で「世界で戦争がなかった日は〇〇日しかない」という内容のコラムを読んだ記憶があります。この出処は思い出せず、ネット検索をしても出てこないので詳しいことは分からないのですが、このコラムの著者は「人間は世界のどこかでほぼ毎日戦争をしている(愚かな生き物だ)」ということを皮肉りたかったわけです。

 シリア、イエメン、アフガニスタン、パレスチナ、イスラム国、スリランカ、ミャンマー、エチオピア、ウクライナなど、21世紀になってからも世界のどこかで戦争または内戦が繰り広げられ、21世紀になってからは「戦争がなかった日」はおそらくゼロだと思います。

 人類の歴史が始まって以来、世界のすべての地域で平和だった時代などほぼないのではないでしょうか。いわば人類の歴史は戦争の歴史でもあるわけです。ということは、人間とは「戦争が好きな生き物」、それが言い過ぎだとしても「戦争を避けられない生き物」くらいは言えるでしょう。

 しかし、私は人類が「戦争をしない生き物」になることは可能だと考えています。太古から変わらなかった「戦争を避けられない」という歴史を塗り替えることなどできるはずがない、とほとんどの人は考えるでしょうが、戦争を「過去のもの」にすることができる方法があります。今回はその考えを披露したいと思います。

 世界から戦争をなくす方法、それは「空港とLCCの拡充」です。これでは訳が分からないと思うので解説していきます。

 例えば、これから日本が韓国やアメリカと戦争を起こすことはあるでしょうか。私はないと思います。では、日本と北朝鮮ならどうでしょうか。私はあり得ると考えています。この違いはどこにあるのかというと、日本と韓国、日本とアメリカは人の動きが活発で互いに深い交流があるからです。この交流の大きさは太平洋戦争の時代とは雲泥の差です。

 90年代初頭、韓国人が日本を訪れることは容易ではありませんでした。それどころか、韓国内では日本の書籍や音楽を入手することは極めて困難で、日本の文化に触れるには大型図書館などに出向かなければなりませんでした。

 私はこの頃に来日した韓国人の若い女性と話をしたことがあります。過去のマンスリーレポート「外国を嫌いにならない方法~韓国人との思い出~」でも述べたのでここでは詳しくは繰り返しませんが、その女性は「大阪や東京というのは、ヤクザが跋扈(ばっこ)した街で、若い女性は決してひとりで歩いてはいけない。男性から声をかけられるようなことがあれば直ちに逃げないといけない」と聞かされていたと話していました。

 今やソウルやブサンに1泊2日で行く日本人もいるほどです(私も1泊で行ったことがあります)。こんなにせわしないプランで来日する韓国人は知りませんが、それでも日本と韓国はお互いに気軽に行ける国になり、友達や恋愛のパートナーが韓国人という日本人も少なくありません。過去の微妙な”歴史”の話から仲違いした日本人男性と韓国人女性のカップルの話は過去のコラム「インド人の詐欺と外国人との話のタブー」で紹介しましたが、それだけで相手のことを憎むようになるわけではありません。

 外務省によると、コロナ流行前の2018年、渡米した日本人は約350万人、韓国には約300万人が渡航しています。中国には270万人、タイは165万人です。これだけ人の行き来があると、渡航先の国で友人ができ、なかには恋愛関係に発展することも大いにあります。「アメリカの奴らは日本人と違って……」「韓国人は……」といった否定的な言葉を事前に聞いていたとしても、実際に行ってみれば「同じ人間で、仲良くできるんだ」ということが分ります。

 では、北朝鮮の人たちは日本人のことをどのように思っているでしょうか。私が90年代初頭に話をした韓国人女性のように、「日本人は冷酷で仲良くなれない」と思っている人たちが多いのではないでしょうか。

 私はウクライナにもロシアにも行ったことがありませんが、今回の戦争が始まる前、ウクライナ人とロシア人の交流はそれほどなかったのではないでしょうか。ウクライナは裕福な国ではなく、一人あたりのGDPが4千ドルに届きません。ロシアは1万ドルほどだったと思いますが今やロシアはかつての共産主義国ではなく貧富の差が大きな国です。ということは、平均的なウクライナ人と平均的なロシア人が頻繁に相手国に行き来して友達が多い、ということは考えられません。プーチン大統領が「ロシア軍はウクライナ市民を救うために戦争をしている」などというデタラメなプロパガンダをロシア国民に主張できるのも、大半のロシア人がウクライナ人を知らないからです。

 イギリスとフランスは歴史上何度も戦争をしていますが、これから起こることはないでしょう。それは、交通の発達ですでに両国を行き来して互いの国に友達や恋人がいるという人が大勢いるからです。日本と韓国は、まだまだ英仏ほどの関係には達していませんが、コロナが終わり、両国の、特に若者が互いの国を行き来する機会が増えれば、戦争が起こることはないと思います。

 ならば、世界中の、特に若者が(戦争で駆り出されるのは若者です)、全世界を飛び回って各国で友達をつくるようにすれば、国と国との戦争が起こるリスクはぐんと低くなります。そのためには、出入国の手続きを簡単にして、渡航の費用を安くする必要があります。よって、空港を拡充して、LCCの便を増やせば戦争が起こらない、というのが私の理屈です。

 日本と北朝鮮が戦争を起こすリスクを回避しようと思えば、十万人くらいの単位で学生の交換留学を促進すればいいのです。若い学生どうしが時空間を共有すれば、自然に友情や愛情が生まれます。若者どうしの交流が活発化すれば、それは上の世代にも伝播していきます。そうなれば戦争は起こり得ません。もっとも、北朝鮮トップの御仁はこのような案は即却下するでしょうが。

 人間というのは奇妙な生き物で、集団で行動すると、他の集団のメンバーと争いごとを起こす一方で、自分たちとは背景の異なる他の集団のメンバーに対して興味をもち、友情や愛情を発展させます。そして、集団どうしが対立するときには、必ず「相手が悪で自分たちが正義だ」という大義名分をつくりだします。だから、集団のリーダーは「自分らが正しいんだ」というプロパガンダをメンバーに植え付けようとするわけです。

 これに抗うには、そういうリーダーの馬鹿げたプロパガンダが広まる前に、集団の各メンバーが相手側の集団のメンバーと積極的に交わるようにすればいいのです。過去のコラムでも述べたように、我々は「〇〇国の人の性格は……」という話が好きでたいてい盛り上がります。日本人どうしの「△△県出身者は……」という話と同じです。しかし、もちろんどこの国にも地域にもいろんな人がいます。「〇〇国の人は……」という話は”ネタ”にとどめておいて、世界中の若者がいろんな地域に行って自分で確かめるようにすればきっと世界は平和になります。

 そのためにはコロナにはそろそろ大人しくしてもらって、我々人間は空港とLCCの拡充に努めるべきです。コロナの影響もあって現在世界的な不況が訪れようとしていますが、私が政治に携わる立場にいれば、自国はもちろん他国にも働きかけて旅行業界に大型投資を仕掛けます。不況から抜け出すことが期待できるだけでなく、世界中で若者の交流が活発になり国際間の友情や愛情が芽生えることにより、きっと世界に平和が訪れるからです。

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2022年7月3日 日曜日

2022年7月4日 東アフリカでは2千万人が飢餓

 「医療ニュース」のほとんどは、医学誌に掲載された新しい論文を紹介することが多いのですが、今回は一般紙の社会ニュースに掲載された記事を取り上げたいと思います。

 結論からいえば、現在世界は大変なことになっていて「救える命が救えない」状態です。

 「The New York Times」2022年6月12日に掲載された記事「『あの子を埋葬し、歩き続ける』餓死するソマリアの子供たち(’We Buried Him and Kept Walking’: Children Die as Somalis Flee Hunger)https://www.nytimes.com/2022/06/11/world/africa/somalia-drought-hunger.html」によると、現在東アフリカでは干ばつが進んでいて、その結果、食料が不足し、2022年末までにケニア、エチオピア、ソマリアの三国で最大2千万人が飢餓に苦しむと試算されています。

 記事によれば、ソマリアの人口は推定1600万人で、そのうち約700万人が深刻な食料不足に直面しています。ユニセフの報告によれば、2022年に入ってから少なくとも448人の子供が重度の栄養失調で亡くなっています。

 なぜこの地域では食料が不足しているのか。最大の原因は干ばつです。調査機関によれば、ソマリアでは2021年の中盤からすでに300万頭の家畜が死んでいます。ソマリアは、度々干ばつの被害に苦しんでいます。2011年には干ばつによる死亡者数がなんと26万人にも上りました。そして、今回の干ばつは来年(2023年)まで続く見通しです。

 尚、欧州紙「Euronews」に2022年6月14日に掲載された記事「サイレントキラー:熱波に備えれば毎年数千人の命を救うことができると赤十字が警告(’Silent killers’: Preparing for heatwaves could save thousands of lives every year, warns Red Cross )」によると、毎年世界では48万人もが熱波が原因で死亡しているそうです。

 さらに、食料不足の要因は干ばつだけではありません。ウクライナ戦争が影響を及ぼしているのです。つまり、ウクライナやロシアから小麦が輸入できなくなったことで食力不足に拍車がかかっているのです。

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 食品ロスが社会問題となっているこの国で暮らす者としてはどう考えればいいのでしょうか。

 さらに、我が国の医療費について考えてみましょう。

 脊髄性筋委縮症の治療薬ゾルゲンスマ(注射薬)は1本1億6707万7222円です。以前に比べると随分安くなったとはいえ、がんの治療薬のオプジーボは1人あたり年間1千万円以上します。

 ちなみに、ソマリアの一人当たりのGDPは1,815ドル(約20万円)です。

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