腟カンジダ症(カンジダ性腟炎)

カンジダは真菌で、分かりやすく言えばカビの一種です。腟内に感染しかゆみをもたらします。白っぽいオリモノが増えることもあります。この白っぽさは、酒かす様、ヨーグルト様などと表現されます。診断は通常顕微鏡ですぐに診断がつきます。

治療は、抗真菌薬の腟錠を使います。ひどければ内服薬を用いることもありますが、通常は腟錠のみで充分です。

腟カンジダ症が他の性感染症と異なる点は、性交渉がなくても感染しうる、ということです。これは、カンジダは腸管の中に棲息していることがあるからで、肛門から会陰部を通って腟の中までやってくるというわけです。特に、抗生物質を内服しているときには腸管内の細菌が死滅し、代わりに真菌であるカンジダが増殖するので、腟カンジダ症が起こりやすくなります。ちょうど、赤ちゃんに抗生物質を飲ませると、肛門周囲にカンジダ性皮膚炎が起こりやすくなるのと同じ理屈です。

あなたが男性で、もしもあなたの彼女が腟カンジダ症になったとしても、すぐに浮気を疑わないように注意をしましょう。

参考:毎日新聞「医療プレミア」2019年1月20日「ニキビ治療の抗菌薬で「カンジダ」発症のなぜ」
GINAコラム「カンジダをきたす3つの要因」

カンジダ性亀頭炎

腟カンジダ症が性感染でない場合があるのに対して、カンジダ性亀頭炎は性感染であることもあります。しかしながら、小学生の男の子でもカンジダ性亀頭炎を起こすことがありますから、必ずしも性感染というわけではありません。特に、包茎の人は性交渉がなくてもカンジダ性亀頭炎をおこしやすいと言えます。

繰り返す場合は、免疫能が低下する疾患が隠れていることがあります。実際、カンジダ亀頭炎を繰り返すことから、HIV、糖尿病、悪性腫瘍などが見つかることがあります。

通常は抗真菌薬の外用薬で治りますが、難治性の場合は内服薬を使います。