お詫び~階上ボクシングジムの振動・騒音について~

◎階上キックボクシングジムの振動問題について

旧・谷口医院(太融寺町谷口医院)の階上キックボクシングジムと家主に防振工事を求めていた署名活動は、2023年6月30日までに合計1,211名の皆様から貴重なご署名とコメントをいただきました。キックボクシングジムからも家主からも我々に対しては何の申し入れもありませんでしたが、皆様のご署名のおかげで振動の回数は激減し(ただし週に1~2回の壁が揺れるほどの大きな振動があり皆様にご迷惑をおかけしました)、針刺し事故を起こすことなく、最後まで無事に診療を続けることができました。本当にありがとうございました。

当院からの申し入れに対し、2021年5月にいったんは「防振工事をする」と文書で約束したキックボクシングジムはその後、約束を撤回し、ますます大きな振動を巻き散らし続けました。一級建築士が測定した振動のデータを裁判に提出し、裁判自体は当院に有利となりましたが、これ以上裁判が長引けば針刺し事故を起こしかねないと考え(実際に事故を起こしかけたことが複数回ありました)「閉院」を決意せざるを得ませんでした。

話が通じずコミュニケーションがとれない相手ですから「移転」を2021年夏から検討し、その後1年半にわたり多数の不動産会社及び家主と交渉しましたが、主に「コロナを診るなら貸さない」などと言われ、見つかりませんでした。

閉院は2023年6月30日と決めましたが、多数の患者さんから「絶対に新しい場所を見つけてほしい」との声をいただき、最終的には、当院の患者さんでもある不動産会社の経営者の方から紹介いただいた物件に入居できることになりました。

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裁判は下記のように進められてきました。

事件番号:大阪地方裁判所令和4年(ワ)第540号大地16民3B係
第1回期日:2022年3月9日 終了
第2回期日:2022年4月27日 終了
第3回期日:2022年6月16日 終了
第4回期日:2022年7月20日 終了
第5回期日:2022年9月13日 終了
第6回期日:2022年10月25日 終了
第7回期日:2022年12月8日 終了
第8回期日:2023年2月16日 終了
第9回期日:2023年3月24日 終了
第10回期日:2023年4月24日 終了
第11回期日:2023年5月17日 終了
第12回期日:2023年6月6日 終了
第13回期日:2023年7月5日 終了
第14回期日:2023年9月5日 終了
第15回期日:2023年10月25日 終了
第16回期日:2023年12月8日 終了
第17回期日:2024年1月26日 終了
第18回期日:2024年3月18日 終了
第19回期日:2024年4月24日 終了
第20回期日:2024年5月31日 終了
(第21回期日の直前:すてらめいとビルの弁護士が突然辞任)
第21回期日:2024年7月19日 終了
第22回期日:2024年9月9日 予定

<番外編>谷口医院がビルを「不法占拠」していると訴えられた裁判
「令和4年(ワ)第4817号 損害賠償請求事件」
2024年1月12日:谷口恭の尋問
2024年3月4日:判決=原告の完全敗訴(=谷口医院の全面勝訴)
2024年3月25日:すてらめいとビルが控訴すると裁判所に通知
2024年3月29日:すてらめいとビルが控訴を取り下げ(=谷口医院の勝訴確定)


参考:日経メディカル
「ボクシングジム振動問題、ついに裁判が始まる」
「緊急事態宣言よりも、苦しんでいる患者よりも大事な“ユメ”って何だ?」

マンスリーレポート
2024年3月 「谷口医院がすてらめいとビルを”不法占拠”していた」裁判の判決

〇これまでの経緯

・2020年12月  ボクシングジムが階上に入居(事前の連絡や挨拶は皆無)

・~2021 年 4 月  「患者さんのために振動の対策をしてほしい」と繰り返し依頼したが変わりなし。ジムの社長と話をして 4月末に防振・防音工事をする約束を得た

・2021 年 5 月  まったく改善しておらず「本当に工事をしたのなら証拠を見せてほしい」と依頼すると、意味不明の写真が送付されたため、その説明を依頼したが無回答。しかし、「今度はきちんとした工事を6月20日を目途に開始する」との約束を文書で得た

・2021年7月  「やっぱり工事はやらない」という連絡が来た。話し合いが成立しないため、当院としては裁判を起こす以外に方法はないという結論に達し準備を開始

・2021年夏 移転先を探し始めたが、ビルからは「コロナを診るなら貸さない」、近くの医療機関からは「競合するからこないでほしい」などと言われ、いい物件がみつからない

・2022年1月 当院の弁護士が「当初の約束通り防振工事をすること」を求め大阪地方裁判所に訴状を提出

・2022年3月9日 裁判開始

・2023年1月4日 裁判終結時期の見通しが立たず、振動が悪化したことで針刺し事故のリスクが急増し、また移転先が見つからなかったため「閉院」を決定

・2023年6月5日 不動産業を営む当院の患者さんから紹介されたビルを使えることが決まった。これにより「閉院」がなくなり「移転」できることになった

・2023年8月14日 移転先で「谷口医院」再開

・2024年1月12日 「振動裁判」ではなく、なぜか「谷口医院がすてらめいとビルの4階を不法占拠していた」と同ビルから訴えられた裁判が開かれた。2024年3月4日、判決=原告の完全敗訴(=谷口医院の全面勝訴)。2024年3月25日、すてらめいとビルが控訴すると裁判所に通知。2024年3月29日、すてらめいとビルが(なぜか)控訴を取り下げ谷口医院の勝訴確定

・2024年7月現在 第21回期日の直前にすてらめいとビルの弁護士が突然辞任。よって振動裁判は進行せず次回に持ち越しに


〇これまで患者さんから多く寄せられた質問

Q1:病気で苦しんでいる患者に苦痛と恐怖を与える行為はあまりにも残酷すぎて許すことができません。なぜ工事をしてくれないのですか

A1:これだけのひどい振動ですから、我々としても当初は「話せばわかる」と考えていました。しかし、残念ながらそういう常識が通用する相手ではありませんでした。

常識がある人物なら、このビルに入居する時に挨拶くらいはすると思いますが、まったく何の連絡もありませんでした。勝手に工事を始めて、何の断りもなくキックボクシングを開始し振動と騒音をまき散らしているわけですが、そういうことを何とも思わない連中なのです。

このジムの社長に「治療を受けに来てこれだけの恐怖を与えられる患者さんのことをどう思いますか?」と何度も聞きましたが、ヘラヘラしているだけでまともな返答が返ってきたためしがありません。一度繰り返し尋ねたときには「ユメのためにやめられへんのですわ」と意味不明な回答をされました。「ユメ」って何なのでしょう?


Q2:ビルに言って工事をさせることはできないのですか

A2:ビルは完全に無関心です。振動で壁や天井にヒビが入りましたから、それを言えば何かしてくれると考えたのですが無視されました。また、レントゲン撮影時に振動が起こると正確に撮影できなくなることもあるのでそれを主張したのですが、「レントゲンを撤去せよ」と言われました。話が通じないのです。さらに、その後「レントゲンのスペースを貸した覚えはない。(当院の)不法侵入だ!」と訳の分からないことを言われました。

補足(2024年1月31日):その後、2024年1月12日に、「谷口医院がすてらめいとビルの4階を不法占拠していた」という訴えを起こされ、その際に原告(すてらめいとビル)は「レントゲンのスペースを貸した覚えはなく、契約時にはレントゲンがなかった」と主張してきました。もちろん、レントゲンは2007年の開業開始時期には設置されていました。そもそもすてらめいとビルの社員の健康診断を谷口医院が担い、2007年には社員のレントゲン撮影をしていたわけです。また、レントゲン設置は保健所の許可がいりますし、レントゲン機の会社の搬入記録もあります。つまり「レントゲンは初めはなかった」などという無茶苦茶な主張は調べればすぐに嘘であることがバレます。そんなことはビルの弁護士には分かっていることです。それに、谷口医院がビルの4階を借りていたことは契約書が示す通りです。にもかかわらず、そんな嘘をついてまで裁判を起こしたかった理由は何なのでしょう。現時点では謎です……。


Q3:保健所に言って工事をさせることはできないのですか

A3:実はある患者さんが保健所に通報され、話は聞いてもらえたそうなのですが、「保健所にはジムに対し注意をする権限がないんです」が最終的な回答だったようです。区役所や環境局に通報された人もいるのですが、いずれも取り付く島もなく「管轄外で何もできない」と言われたそうです。


Q4:何か月か前には驚くほど大きな騒音と振動がありましたが、先日はありませんでした。ジムがつぶれるのも時間の問題ではないですか

A4:たしかに最近はまったく音がなくなることがあります。それに振動の質が変わってきており、振動と聞こえてくるファイターの声とが一致することが増えてきました。おそらくごく少人数になっているのだと思います。ですが、ただ1人が動いただけで声と振動が伝わるわけですから、人数が減っても患者さんが受ける被害はそう変わりません。約束どおり工事をおこなってもらうしか方法はないと思います。


Q5:先生や看護師さんは強く言えないでしょうから、私が直接ジムに抗議をしに行っていいですか

A5:それはやめてください。このジムの社長、見た目でいえば反社会的な風貌ではなく、むしろその逆で、一度会っただけでは顔を覚えられないような地味で目立たない印象なのですが、高齢者や病気で苦しんでいる患者さんにこれだけの苦しみと恐怖を与え続けても何とも思わない人物であることを忘れてはなりません。


Q6:「振動の対策をしてほしい」という署名はもうかなり集まっているのではないですか。その署名でジムが考えを変えることはないのでしょうか

A6:ありません。署名が集まっていることはジムの社長に伝えていますが、そんなことを気にするようなキャラクターではありません。なにしろ高齢者や病人が振動で苦しみ恐怖を味わっていることを伝えても表情をまったく変えず「それで?」という態度なのです。ただ、お書きいただいた署名は裁判所にはすでに提出しています。


Q7:振動で針刺し事故が起こればどうなるのですか?

A7:法律上、当院の責任になります。また、法律に関係なく、大きな振動が起こり得ることが分っていて医療行為をしているのは当院ですから、当院の責任です。針刺し事故のリスクについては、2021年の早い段階で、振動のせいでできた壁のヒビを見せながら繰り返し訴えましたが、ジム側もビル側も「それが何か・・・・・」という態度です。話は通じません。


Q8 裁判を通してボクシングジムは一切謝罪の言葉がないのでしょうか

A8 まったくありません。それどころか初めから一貫して「針刺しくらいでごたごた言うな。それくらい我慢せーや」という態度です。2023年5月17日の裁判で、「本サイト(おそらくこのページ)を50万円払うから消去せよ」、と言ってきたようです。まったくコミュニケーションが不能です。そんなお金があるのなら防振工事をすればよさそうなものですが、そういう考えはないようです。

更新:2024年8月4日